ユーロほぼ全面安、ギリシャ協議不調で売り-ドル・円はFOMC待ち

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15日の東京外国為替市場ではユーロがほぼ全 面安の展開。ギリシャ協議が不調に終わり、同国のデフォルト(債務不 履行)懸念からユーロ売り圧力が強まった。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台前半と前週末の終値(

1.1266ドル)から水準を切り下げて週明けの取引を開始。日中を通して 上値の重い展開が続き、午後には1.1189ドルまで値を切り下げた。午後 4時3分現在は1.1235ドル前後。ユーロ・円相場も早朝に一時1ユーロ =138円08銭と前週末の終値から約1円ユーロ安・円高に振れるなど、 上値の重い展開だった。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「手続き上、18日の ユーロ圏財務相会合で一定の妥結を見ないと金融支援がとん挫する可能 性が高まり、ギリシャのデフォルトリスクが意識される事態に陥ってし まう可能性もある」と指摘。加えて、16、17日には米連邦公開市場委員 会(FOMC)があり、「ギリシャリスクプラス米金利上昇リスクで、 ユーロ・ドルは基本的に下方向を試す展開が想定される」と話した。

一方、ドル・円相場は1ドル=123円台前半から一時123円56銭まで 強含みとなった後、伸び悩んだ。同時刻現在は123円42銭前後。

三菱UFJ信託銀行資金為替部・為替市場グループの市河伸夫グル ープマネージャーは、FOMCが9月の利上げを目指したコミュニケー ションを行ってくれば、ドルは強含む可能性が高いが、米金融当局は市 場の急激な織り込みを避けたいとみられるほか、先週の黒田日銀総裁発 言による影響からドル・円は「買い上がりづらく、125円を超えない程 度のドル高・円安になる」と予想した。

ギリシャ

14日にブリュッセルで行われたギリシャと債権者の大詰めの交渉は 、債権者側の要求とギリシャ政府の妥協案の間の溝が埋まらず、わずか 45分で終了した。ギリシャ支援をめぐる協議は18日にルクセンブルクで 開催されるユーロ圏財務相会合に焦点が移る。ギリシャがデフォルトを 回避できるかどうかは同会合の結果次第となる公算が大きい。

ギリシャのバルファキス財務相は債権団が債務減免を提案すればギ リシャは追加支援を受けずに済むだろうと、ドイツ紙ビルトとのインタ ビューで語った。同財務相は「私は賢明な解決策としてGREXITを 除外するが、全てを除外することは誰にもできない」と述べ、債務の返 済期限の延長も求めた。

12日の海外市場では、ドイツのメルケル首相が強いユーロは高債務 国が改革で成果を挙げるのを困難にすると発言したことを受け、ユーロ が下落。対ドルでは一時1.1151ドルまで下落する場面が見られた。

大和証券金融市場調査部の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、ギリ シャのデフォルトリスクについて、「部分的な債務カットのような意味 での現実性は増している」と指摘。もっとも、「ユーロが買いにくいの は確かだが、最終的には決着するという見方は比較的多いと思うので、 ユーロが大きく下げていくこともないのではないか」と語った。

FOMC

FOMCは今週の定例会合で、利上げ時期の見通しについて協議す るとみられる。会合後には経済予測や政策金利予測が公表されるほか、 イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見する。

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、FOMCで「金利 見通しが上方にシフトしていれば、市場は利上げが近いとして、ドル買 いに弾みがつく」と予想。一方、IG証の石川氏は、早期利上げ懸念か ら米国株や世界の株式相場が崩れれば、安全資産を求める動きから結果 的に米金利が低下し、ドル・円の「上値の滞空時間を短くする」可能性 もあるとし、FOMCに対する株式相場の反応に注視せざるを得ないと 語った。

--取材協力:酒井大輔.

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