利上げ先送り裏付けか-FRBエコノミストの調査リポート

米連邦公開市場委員会( FOMC)は17日に参加者の経済予測を発表するが、雇用市場の「ゴル ディロック」水準をどこに定めているかが一番の関心の的となりそう だ。

ゴルディロックは童話に出てくる女の子の名前。森の中で熊の家族 の家に迷い込み、熱くもなく冷たくもないお粥を食べて「ちょうど良い わ」と言う。雇用市場では失業率が高過ぎなく、かといって賃金や価格 のインフレを引き起こす可能性があるほどに低過ぎない「自然失業率」 を意味する。

3月に発表されたFOMC参加者予測では、この自然失業率は5 -5.2%とされていた。5月の失業率は5.5%。FRBのスタッフがまと めた新たな調査リポートでは、この数値が4.3%にまで下がる可能性が 示されており、これまでの見方とかなり異なるため、17-18日の FOMC会合への影響が注目される。

FRBエコノミストのアンドルー・フィグラ、デービッド・ラトナ ー両氏の分析が正しければ、労働市場にはまだインフレを起こさずに改 善する余地があることになる。従って早期利上げ、もしくは急速な利上 げの必要性はないと考えられる。

両氏は労働報酬というレンズを通して、完全雇用を意味する失業率 がどの水準にあるかを追究した。

労働報酬

一つの特徴は、生産と輸入に対する課税を控除した総付加価値のう ち労働が占める比率は横ばいで推移しており、データの集計が始まっ た1947年以来で最低水準付近にあることだ。

この理由が賃金交渉力の低下だとすれば、企業はもっと雇用を増や すことが可能であり、賃金圧力をさほど高めずに失業率が低下すること になる。実際のところ、企業資本のうち労働力に向けられる資金の比率 に大きな変化がないとすれば、企業には需要拡大に伴い求人広告を出す 動機が与えられる。

バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン 氏(ニューヨーク在勤)は説明する。もう1人雇うことで売上高が10ド ル増えると企業が判断した場合、そして労働と会社資本の比が6ドル対 4ドルで比較的変わらないとすれば、「企業はもっと求人広告を出し て、雇用を増やしたいと考えるだろう」と述べた。

この調査は少なくとも2つの点で興味深い。1つ目は最新のデータ との整合性が高いことだ。

製造業および非管理職労働者の平均時給は2009年6月に現在の景気 拡大が始まって以来、平均2.1%伸びてきた。この伸びは前回の拡大局 面を1ポイント下回っている。

ブレイナードFRB理事

米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)価格の食品と燃料を 除くコア指数は、4月に前年比1.2%上昇と、低いままだ。

4月の求人件数は2000年12月に集計を開始して以来の大幅増加とな った。

2つ目は、ブレイナードFRB理事が6月2日の講演でこの調査を 取り上げ、「自然失業率がこの数年間に低下し、実際の失業率との間に は依然として開きがあると考える複数の根拠がある」と述べたことだ。

ブルームバーグ・ニュースの調べではエコノミストの半数が9月利 上げを予想。その通りになったとしても、この調査からは引き締めペー スは緩慢なものになることが示唆される。

完全雇用を意味する失業率が4.25%という世界では、「1年に1ポ イントの引き締めでも急激過ぎるということになりかねない」とバーク レイズのゲーペン氏は述べた。

原題:Fed Research on Job Market Bolsters Case for Delaying Rate Rise(抜粋)

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