【日本株週間展望】米利上げ懸念し上値重い、株主還元は支え

6月3週(15-19日)の日本株は上値の重い 展開となりそうだ。米国の利上げ時期をめぐる不透明感が続く中、連邦 公開市場委員会(FOMC)の開催を控え積極的な買いが入りにくい。 一方、株主還元を意識した企業アクションやギリシャ情勢に進展が見え れば、相場全体を下支えする。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「上値が重 い状況は米国の利上げが決まるまで続くだろう」と予想。これまで上げ 続けた反動の側面が強いが、世界的な金利上昇の落ち着きどころも見え ず、日経平均株価も「一進一退」との認識を示した。

第2週の日経平均株価は週間で0.3%安の2万407円8銭と続落。欧 米長期金利の上昇を懸念し、週前半に300円以上急落、日本銀行総裁の 国会発言をきっかけに為替が急激に円高に振れた10日には1月以来の4 日続落となった。その後円高が一服、ギリシャ債務協議に楽観的な見方 も広がり、11日は300円以上上げるなど後半は持ち直した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日にFOMCを開く。ブ ルームバーグが5-9日に行ったエコノミスト調査では、米金融当局が 9月に政策金利のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上 げる確率は中央値で50%。10月の確率は9%、12月が20%、2016年のあ る時点とする確率は10%となっている。

英バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペ ル氏は9月の利上げ確率が高いとみているが、「労働市場が何らかの理 由でエンスト状態になれば、先送りされる」と話す。

米国の年内利上げを見込む格好で欧米金利の上昇傾向は続き、米10 年債利回りは10日の取引で2.49%と昨年10月以来の2.5%に接近。ドイ ツ10年債利回りは昨年9月以来の1%を突破した。アストマックス投信 投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャーは、第2週を「債券市場 の大きな振れが株価に影響する怖さ、共倒れする怖さを少し感じさせ た」と回顧。欧米金利が一段と上がれば、「積極的にリスクテークする 感じではなくなる」と言う。

アンワインドリスク残る、総会シーズンへ

海外投資家の日本株買いの勢いも鈍ってきた。東京証券取引所によ ると、6月1週(1-5日)の海外勢の現物買越額は403億円と、前週 の3971億円から大幅に縮小した。大阪取引所がまとめる先物動向では、 同週に2668億円売り越していた。

岡三証券の石黒英之・日本株式戦略グループ長は、「ヘッジファン ドの先物買いのポジションがまだ残っているようだ。外部環境が悪化す れば、売りが出てくるだろう」と警戒する。海外勢は4、5月に日本株 を現物で約3兆円買い越し、相場の上昇が鮮明だった5月3、4週だけ で先物を9000億円以上買っていた。

一方、株主総会シーズンを迎え、株主還元や経営効率を意識した企 業側の動きが出てくれば、株価を下支えする公算が大きい。第2週も株 式分割や増配を表明したドンキホーテホールディングスが急騰した。野 村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト は、「株主総会を契機にもう一度コーポレートガバナンスが注目され、 株価のブースターになれるかどうかもポイント」としている。

東証の集計では、3月期決算企業の定時株主総会の開催日が最も集 中するのは26日。対象会社2363社のうち、41%に当たる977社が実施す る。ただ、1995年の集中率96%と比べれば最近は分散化しており、近年 は40%前後となっている。16日にはトヨタ自動車、17日にアステラス製 薬、18日にNTTドコモなどが開催予定だ。

このほか、ギリシャ情勢も欧米株式、為替動向を通じて引き続き日 本株に影響を及ぼす見通し。10日には、ギリシャが債権者側の求める経 済改革措置の少なくとも1つの履行を確約すれば、ドイツは救済資金の 供与に同意する可能性があると事情に詳しい関係者2人が明らかにし た。同日のストックス欧州600指数はおよそ1カ月ぶりの上昇率とな り、翌日の日本株にプラスとなった。

第3週の投資材料は、国内では17日に5月の貿易収支、18-19日に 日銀の金融政策決定会合があり、最終日に黒田東彦総裁が会見する。米 国では15日に5月の鉱工業生産、16日に住宅着工件数、18日に景気先行 総合指数が公表予定。

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