ドルは123円台半ば、来週のFOMCに焦点移行-ユーロ下落

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東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ド ル=123円台半ばで推移。良好な米小売売上高を受けてドルは底堅い半 面、来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて動意に乏しい展 開となった。

12日午後3時43分現在のドル・円相場は123円56銭前後。前日の海 外市場では米小売売上高の発表を受けていったん124円13銭までドル高 に振れる場面が見られたが、124円台の滞空時間は短く、この日の東京 市場では123円台半ばでもみ合う展開が続いた。

外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、「黒田日本銀行 総裁の発言を受けた円高も一時的な要因にしかならず、あとは米指標を 見ながら動くしかないというところだったが、米小売売上高でも駄目だ ったとなると、きょうの米指標で124円台を抜けてどんどん上げていく のは難しそうだ」と指摘。「そうなると、FOMCまで全部持ち越しと いう形になると思う」と語った。

一方、ドイツ政府がギリシャのデフォルト(債務不履行)に備えて 準備しているとの独紙報道を受け、ユーロは下落。対ドルでは1ユーロ =1.12ドル台後半から一時1.1216ドルまで値を下げた。ユーロ・円相場 も1ユーロ=139円ちょうど前後から138円台半ばまでユーロ売りが進ん だ。

FOMC

ブルームバーグが5-9日に行ったエコノミスト調査では、米金融 当局が9月に主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導 目標の引き上げに踏み切る確率は中央値で50%。10月の確率は9%、12 月は20%、2016年のある時点とする確率は10%とされた。

来週は16、17日にFOMCが開催され、終了後に経済予測の発表と 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の記者会見がある。

ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長 は、「米利上げ期待感からドル主導の動きになっており、来週の FOMC声明を見極めるまではドルは底堅さが続くだろう」と予想し た。

この日は米国で5月の生産者物価指数(PPI)や6月のミシガン 大学消費者マインド指数が発表される。11日発表の5月の小売売上高 (速報値)は前月比1.2%増と市場予想と一致した。自動車・同部品を 除く売上高は1%増で予想を上回った。

今週は10日に黒田東彦日銀総裁が、実質実効為替レートが「さらに 円安に振れていくことはなかなかありそうにない」と語ったことをきっ かけに円が急伸。ドル・円は一時2週間ぶりの122円台まで下落した。

麻生太郎財務相は12日午前の閣議後会見で、黒田総裁の発言は「承 知している」とし、為替の水準についてはコメントしないと述べた。

三井住友信託銀行NYマーケットビジネスユニットの海崎康宏マー ケットメイクチーム長(ニューヨーク在勤)は、黒田総裁発言に関して は「いったん消化した感じになっている」とした上で、19日の日銀金融 政策決定会合後の総裁会見が注目されると語った。

ギリシャ

ギリシャのチプラス首相は、ドイツのメルケル首相、フランスのオ ランド大統領との夜中すぎまで2時間続いた会談で、付加価値税 (VAT)の引き上げを含めて欧州連合(EU)の提案へのいかなる譲 歩も行わなかった。独紙ビルトが事情に詳しい複数の関係者からの情報 を引用して報じた。

外為どっとコムの石川氏は、「FOMCで9月利上げの確実性が増 したと判断できればユーロ・ドルの下というのは考えらえるが、逆に確 信が持てなくてもギリシャの問題があるため、ユーロ・ドルにそれほど 上値余地があるとは思えない」と語った。

--取材協力:大塚美佳、池田祐美.

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