債券は上昇、長期金利一時0.5%割れ-米独債反発や日銀買いオペ支え

更新日時

債券相場は上昇。長期金利は一時、2営業日 ぶりに0.5%割れとなった。前日の米国とドイツの債券相場が大幅反発 した流れを引き継いで買いが先行した。日本銀行がきょう長期国債買い 入れオペを実施したことも相場を支えた。

12日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比29銭高の146 円24銭で取引を開始した。午後の取引開始後には146円42銭まで水準を 切り上げ、結局は35銭高の146円30銭で取引を終えた。

みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、「円債相場は 結局、独・米金利に振り回されている。独10年債利回りの上昇は1.2% 程度までだろう。それ以上は景気や物価見通しが改善しないと難しいか らだ」と話した。「米国債は利上げを織り込んでいっても、長期金利の さらなる大幅上昇は考えにくい。円債は海外の長期金利を見て動くの で、欧州金利が今後跳ねる場面でも0.6%前後までではないか」とも述 べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回 りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より3ベーシ スポイント(bp)低い0.50%で始まり、0.505%を付けた後、0.495%と10 日以来の0.5%割れとなった。いったん0.505%まで戻したが、午後に入 ると再び0.495%まで下げた。午後2時半前後からは0.50%で取引され ている。新発5年物の123回債利回りは1.5bp低い0.115%で開始し、い ったん0.12%を付けた後、再び0.115%で推移した。

独米金利低下

11日の米国債相場は5月の小売売上高がアナリスト予想に一致する 伸びにとどまったことや、欧州債の上昇を背景に買いが入った。10年債 利回りは前日比11bp低下の2.38%程度となった。欧州債市場では、ドイ ツの10年物国債利回りが2日連続で1%台に乗ったものの、その後は買 いが入って0.88%付近まで大幅低下した。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「ドイ ツ国債1%程度、米国債2.5%程度と、海外金利がいったんピークを打 ったという安心感が出て買いが優勢だ。入札イベントを通過して、海外 市場も一段落した」と話した。ただ、「来週には米連邦公開市場委員会 (FOMC)や40年債入札を控えている。9月の米利上げがあるかなし かに関してヒントが出てくるか注目している」と言う。

日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペ4本の結果によると、 残存期間3年超5年以下と、10年超25年以下の応札倍率が前回から低下 した一方、1年超3年以下と25年超は上昇した。

来週以降の相場展開について、マスミューチュアル生命保険運用戦 略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「引き続き欧米債券市場動向に振 らされる相場となりそうだ」と言う。

嶋村氏は「足元の相場はドイツ国債の乱高下がけん引していたと考 えているが、そのドイツ債市場も来週には底打ちの兆しが出て、月末に 向けて徐々に安定していきそうだ。リスクはFOMCを受けた金利上昇 が米国で起こった場合、そのあおりを受けて円債利回りも上昇する可能 性である」と述べた。

--取材協力:池田祐美、Daisuke Sakai.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE