三井造船:東南アジアにクレーン生産拠点-国内工場でも人員3割増

三井造船は、海外で伸びる需要の取り込みを 強化するため港湾用クレーン事業を拡大する。3年後をめどにこの事業 で同社初の海外生産拠点を東南アジアで立ち上げることに加え、国内工 場でも生産ラインの新設や人員を3割程度増やすことを計画している。

インドネシアやマレーシアでの大型受注に続き、今夏には中東や北 米でも受注が獲得できる見込みとなっており、国外での旺盛な需要に対 応する生産体制の構築を急ぐ。同社運搬機システム営業部の高橋岳之部 長がブルームバーグの取材で明らかにした。

高橋氏によると、東南アジアなど新興国では経済成長に伴う物流の 増加が見込めることから、港湾の整備計画が進められているという。さ らに、先進国でも1980年代や90年代のコンテナ輸送が飛躍的に伸びた時 期に建設されたターミナル向けに、クレーン設備の更新需要が出てい る。コンテナ船の大型化に伴い、対応可能なクレーンに買い替える動き も需要を押し上げていると話した。

同社は東南アジアで現地生産を開始するため、現地企業との合弁会 社の設立について協議を進めている。2、3年後をめどに立ち上げるた め、今年度中に場所など詳細を決定したい考えだ。高橋氏は、東南アジ アが世界の港湾用クレーン市場の「3分の1程度を占める」とし、「わ れわれの主戦場」との認識を示した。

国内ではコンテナクレーンの製造を手掛ける大分工場を増強する計 画。同工場のコンテナターミナルの岸壁に設置するガントリークレーン の年間生産能力を、2016年10月ごろまでに、現在の22基から36基に引き 上げる。また、同工場で働く技術者や作業員を新たに100人採用し、450 人体制にする。

10年ぶりの中東案件

高橋氏によると、円安の進行で海外企業との受注競争では優位に立 てるなど事業環境は好転しているものの、生産能力に限界があるため早 期の納入に関しては対応が難しくなっているという。一方で引き合いは 引き続き旺盛で、ほぼ10年ぶりとなる中東や北米での受注獲得の可能性 があることを明らかにした。

三井造の15年3月期の港湾用クレーン受注額は過去最高の560億円 となった。受注額は前の期と比較して倍増。当初の予想額440億円を大 きく上回った。

港湾用クレーンでは上海振華重工が圧倒的な世界最大手。需要の半 分を占める中国市場で独占状態であることに加え、海外でも展開する。 同社によると14年の港湾用クレーンの同社のシェアは2位となったが、 欧州企業と競合しており順位は流動的。高橋氏は「圧倒的なナンバーツ ーを目指す」と話した。

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