「超空の覇者」再来か、ヘッジファンドが昨年の雪辱の勢い

この6年に及ぶ強気市場は大抵のヘッジファ ンド運用者には歓迎されないものだった。かつて「超空の覇者」と称え られたヘッジファンドに投資するより、株価指数に連動したファンドの 方がよほど儲けが大きいと、投資家の不満の声は高まる一方だった。

しかし今年のヘッジファンドは金融危機が終息して以来初めて勝っ ている。特にジョン・バーバンク、デービッド・テッパー、ジョン・ポ ールソンの3氏の成績は群を抜いている。いずれも米国株の3倍以上、 債券の10倍を超えるリターンをもたらした。

ヘッジファンドに投資するマッセイ・クイックのスチュワート・マ ッセイ最高投資責任者(CIO)は、「どこもかしこも今年は素晴らし い年だ」と語る。「株式もクレジットもマネジャーらの成績は大きく上 がっており、それはショートでもロングでも同様だ」と述べた。

今年はヘッジファンドにとって願ってもいない状況となった。企業 合併は2007年以来で最も活発になっている。中央銀行はもはや足並みを そろえた行動はしなくなっている。米国では金融当局による資産購入の 終了で、株式投資はばらつきが目立つようになった一方、欧州と日本で は量的緩和の継続で株価は急伸している。

バーバンク、テッパー、ポールソン3氏

平均的なヘッジファンドさえも5月までのリターンは3.4%とベン チマークより高く、昨年の2倍を超えた。S&P500種株価指数連動の 上場投資信託(ETF)をわずかながら上回り、バンガードのトータ ル・ボンド・マーケットETFを2.6ポイント上回る成績だ

バーバンク氏が運営するパスポート・キャピタル(39億ドル)は、 ストラテジック・オポチュニティーズ・ファンドで24.2%のリターンを 挙げ、年初来では最も好調なファンドの一つにランクされる。同氏のフ ァンドの成績に詳しい複数の関係者が明らかにした。1-5月に18.2% 上昇したサウジアラビア株式市場への大型投資が奏功したという。

テッパー氏のアパルーサ・マネジメント(200億ドル)は旗艦ファ ンドで14%のリターンを残した。事情に詳しい関係者が明らかにした。 テッパー氏は5月に、投資家は中央銀行に抵抗するべきではないと述 べ、米国株には割安感があると指摘していた。同氏はまた、中国株の上 昇を予想している。

まだ年半ば

今年の状況改善で特に恩恵を受けた1人がポールソン氏だ。2014年 はエネルギーの予想を誤り、合併関連やファニーメイ(連邦住宅抵当金 庫)などへの投資が裏目に出て、同氏の職歴で2番目に悪い成績に甘ん じた。今年はイベントドリブン型ファンドで11.6%、合併ファンド で19.4%のリターンをもたらしている

3社の広報担当者はいずれも、運用成績についてのコメントを控え た。

年間の利益をファンドマネジャーが回収できるのは来年1月以降に なるため、まだシャンパンを開ける段階ではないようだ。

原題:Masters of Universe Return as Laggard Hedge Funds Stage Comeback(抜粋)

--取材協力:Simone Foxman.

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