圧倒的な中国株高センチメントがけん引-バリュー投資崩れる

中国本土と香港の証券取引所に重複上場して いる銘柄が同じような動きをするという想定に基づく取引は、うまくい かないことが証明されつつある。

二重上場銘柄では本土株のプレミアムが1年前の30%から平 均113%に大きく上昇し、割安な香港銘柄の購入資金を賄うために割高 な本土株を空売りしていた投資家はやけどを負っている。バリュー投資 の原則が崩れているのだ。本土・香港株の価格差に着目する裁定取引を 手掛ける投資家は、同一銘柄であれば本土と香港でほぼ同じような動き をするという前提を捨てつつあるとRSインベストメント・マネジメン トは指摘する。

同社の運用担当者(香港在勤)トニー・チュー氏は「彼らが以前の ようにそれに飛び付くことはもはやなくなった。香港市場に影響を与え るグローバルな資金フローが関係している。その一方で本土の人民元建 てA株は上昇を続けている」と述べた。

香港上場銘柄が下げているわけではない。本土企業から成るハンセ ン中国企業株(H株)指数は年初来で14%上昇した。本土市場で上海総 合指数が58%上げ、時価総額が4兆ドル(約490兆円)余り増えている 状況と比べると見劣りするというだけだ。

中国の投資家が5月最終週に開設した新規の株式口座数は444万と かつてない増加ペースとなった。株価値上がりを見込んだ借入金も3480 億ドルと過去最高を記録。貿易統計の弱さが世界2位の経済大国の景気 見通し悪化を示唆しているにもかかわらず、上海総合指数は今週に入り 7年ぶりの高値を付けた。

申万宏源集団のセールストレーダー、ジェリー・アルフォンソ氏 (上海在勤)は「A株の上昇は圧倒的であり、ファンダメンタルズ(経 済の基礎的諸条件)でなく投資家のセンチメントが主にけん引している と言ってほぼ間違いない」と語った。

原題:How to Go Broke Buying Low, Selling High on Chinese Markets (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE