債券は大幅安、欧米債安で長期金利9カ月ぶり高水準-20年入札も重し

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債券相場は大幅続落し、長期金利は約9カ月 ぶりの水準まで達した。米国やドイツの長期金利が年初来最高を更新し たことを受けて、売りが先行した。きょう実施された20年利付国債入札 結果で応札倍率が2年ぶりの低水準となったことも重しとなった。

11日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回 債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値よ り3.5ベーシスポイント(bp)高い0.53%で開始。いったん0.52%を付 けたが、再び水準を切り上げ、0.545%と14年9月22日以来の高水準を 記録。昨年10月の日銀追加金融緩和前の水準まで達した。午後に入る と、0.525%まで戻した後、0.535%で推移している。

長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比27銭安の146円09銭 で取引を開始。その後も売りが優勢となり、一時は145円72銭と、中心 限月ベースで昨年11月13日以来の水準まで急落した。その後は下げ渋 り、結局41銭安の145円95銭で引けた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「取りあえず20 年入札自体は無難に通過した感じ。ただ入札後は、需給の戻りを想定 し、金利が低下するイメージだったが、海外金利に上限が見えないた め、買いを入れるのは難しい」と話した。「欧米金利上昇がクライマッ クスを迎えるには多少時間がかかるとのイメージ。来週は米連邦公開市 場委員会(FOMC)もある。日米欧は国債需給で金利が下がりにくく なっている」と説明した。

先物や10年債中心に売り

この日の相場の下げが大きくなったことについて、パインブリッ ジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「債券先物は限月交 代で売りやすくなっており、イールドカーブ上で割高化した10年債も売 られている」と話した。一方、「30年債は1.5%台では投資家の買いが 出てくるので、底値を固めつつある」との見方も示した。

財務省がこの日の午後零時45分に発表した表面利率1.3%の20年利 付国債の入札結果によると、最低落札価格は100円00銭と事前の市場予 想と一致した。小さければ好調さを示すテール(落札価格の最低と平均 の差)は11銭と、前回の10銭からやや拡大。投資家需要の強弱を反映す る応札倍率は2.56倍と、2013年5月以来の低水準となった。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、20年債入 札は「無難な結果」と指摘した。ただ、「利回りが大きく上昇して迎え た入札の割には、期待ほど需要が集まらなかったという印象もある」と 分析。「海外金利が上昇している中で、投資家は米小売売上高や来週の FOMCを受けた海外債券市場の動向を警戒している可能性が高い」と 述べた。

パインブリッジの松川氏は、「20年債入札では応札倍率がやや低か った。今月は入札が多いという需給面で売られている上、米国の30年債 入札や小売売上高を前にヘッジ売りが出ている」と分析した。

10日の米国債相場は続落。米10年国債利回りは前日比5bp高 い2.48%程度となった。昨年10月以来となる2.5%に迫る場面もあっ た。世界的な国債売りでドイツの10年物国債利回りは一時、節目の1% 台に乗せた。

--取材協力:野沢茂樹、Daisuke Sakai.

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