6月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が急伸、3カ月で最大の上げ-日銀総裁の発言に反応

10日のニューヨーク外国為替市場では、円が約3カ月で最大の上げ となった。日本銀行の黒田東彦総裁が、実質実効レートでは「ここから さらに円安はありそうにない」との認識を示したことを受けた。

円は主要通貨全てに対して上昇。黒田総裁は衆院財務金融委員会で 「実質実効為替レートでみると円安になっているのは事実」と述べた。 円は先週、ドルに対して一時125円86銭と13年ぶり安値を付けた。ドル はこの日下落し、これで3日続落。原油上昇が材料視されたほか、11日 発表の経済指標を控えて様子見姿勢も広がった。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの為替調査・戦略担当ディ レクター、カール・シャモッタ氏は電子メールで、「政策当局は明らか に1ドル=125円の水準で防衛策を講じた」とし、「ここ数週間に見ら れた無秩序な下落を受け、当局には円相場を安定させるため口先介入を 行う明確な動機がある。ただ当局は、歴史的な円高が修正される中で日 本経済が恩恵を受けていることも認識している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比1.3%高の1 ドル=122円68銭。上昇率は3月18日以来で最大。対ユーロでは1%高 の1ユーロ=138円90銭。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.8%下げて1171.61。

黒田総裁の発言

黒田総裁は「実質実効為替レートがここまで来ているということ は、ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れることはありそう にない」とし、相場水準はリーマンショック前に戻ったと述べた。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「明確なトーンの変化だ」とし、「この水準で 日銀がより上下双方向に動く相場を望む考えを表明したのは、今回が初 めてではない。円が戻したのはそのためだ」と述べた。

ブルームバーグ相関加重指数によると、円は過去3カ月間において 主要10通貨のバスケットに対し4.7%下落している。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任者、ダグラス・ボース ウィック氏は「さらなる円安はありそうにないとの黒田総裁の発言は、 『ここで一休みしよう』というような意味で言ったのだろう」と語っ た。

原題:Yen Gains Most in 3 Months as Kuroda Says More Weakness Unlikely(抜粋)

◎米国株:上昇、ハイテク株や金融株主導-ギリシャ協議の行方を楽観

10日の米株式相場は上昇。ギリシャ債務協議が進展しているとの楽 観が広がる中、ハイテク株や金融株が上げを主導した。

S&P500種株価指数の全10セクターが上昇し、特にハイテク株と 金融株の上げが目立った。インテルやマイクロソフトが高い。シティグ ループやJPモルガンも上げ、金融株指数は年初来高値を付けた。エネ ルギー株やヘルスケア株も買われた。

S&P500種株価指数は前日比1.2%高い2105.20で終了。1カ月ぶ りの大幅高となり、50日と100日の移動平均を上回った。ダウ工業株30 種平均は236.36ドル(1.3%)上げて18000.40ドルで終えた。構成す る30銘柄全てが上昇した。ナスダック総合指数は1.3%高。

ライノ・トレーディング・パートナーズ(ニューヨーク)のチーフ 株式ストラテジスト、マイケル・ブロック氏は「ドイツの根負けが公然 となった」と話した。「米国の経済指標は全般に良くなっている。しか し米金融当局が債券市場の今の荒い値動きを見て、利上げに消極的にな っている事実も、広く認識されてきた。混乱はさほどなく、原油相場も 安定していることから、相場は上昇し始めている」と語った。

ギリシャが債権者側の求めるさまざまな経済改革措置の少なくとも 一つの履行を確約すれば、ドイツのメルケル政権は救済資金の供与に同 意する可能性があると、事情に詳しい関係者2人が明らかにすると、合 意への楽観が強まった。欧州中央銀行(ECB)政策委員会はギリシャ の銀行向け緊急流動性支援(ELA)の上限引き上げを決定したと、事 情に詳しい関係者2人が匿名を条件に述べた。

最高値から2.4%安

S&P500種は8日に2カ月ぶりの安値を付け、9日はわずかに反 発。早ければ9月にも利上げが実施されるとの懸念を背景に、5月に付 けた最高値からは2.4%下げている。

バークレイズのウェルスマネジメント部門で投資戦略責任者を務め るウィリアム・ホッブス氏は、「世界経済は第1四半期に一部で考えら れたほど弱くないという証拠が、週を重ねるごとに経済指標で示されて いくだろう」と予想。「データはやや上向きのように見受けられ、米企 業の売り上げ見通しが相場に織り込まれている以上に良くなることを示 唆している可能性がある」と述べた。

ブルームバーグの調査によると、労働市場の伸びが減速するか、イ ンフレが加速しなければ、40%近い確率で利上げが9月より後に先送り されるとエコノミストはみている。

VIX

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は8.6%低下して13.22。過去2日間の低下幅は5月8日以降で 最大となった。

インテルはアルテラ買収を発表して以来、8営業日ぶりに上 昇。1.8%高と、半導体株をけん引した。

10年債利回りが昨年9月以来の高水準となる中、銀行株は続伸し た。シティは終値ベースで約6年ぶりの高値。

原題:U.S. Stocks Rally as Tech, Financials Lead Amid Greece Optimism(抜粋)

◎米国債:下落、10年債利回り2.5%に迫る-世界的な債券売り

10日の米国債市場では10年債相場が下落。利回りは昨年10月以来初 めて2.5%に迫った。

米金融当局による利上げ観測を背景に利回りは上昇してきた。世界 的な国債売りでドイツ債利回りは昨年9月以来の高水準に上昇。米国債 は年初来の上げを失った。

ベーカー・グループ(オクラホマシティー)のジェフ・コーロン最 高執行責任者(COO)は「米国債はより現実的な相場へと調整が入っ ている」と述べ、「相場はより適正な評価水準に戻った。景気が今後も 改善すると想定し、利回りは漸進的な上昇を続けるだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、既発10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の2.48%。一時は昨年10月1日以来の高水準 となる2.49%に上昇した。同年債価格(表面利率2.125%、償還期 限2025年5月)は12/32下げて96 27/32。

10年入札結果

午後に実施された10年債入札後(210億ドル)に米国債は下げ幅を 縮小した。入札の需要は昨年12月以来で最大だった。

ブルームバーグ債券指数によると、償還期限が10年以上の米国債の リターンは年初から5.7%のマイナス。米国債全体では0.8%のマイナス だ。

米10年債利回りはブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央 値で第4四半期に達すると予想されていた2.5%に迫っている。ドイツ の10年債利回りは1%を突破。4月17日には過去最低の0.049%だっ た。

10年債入札の結果によると、最高落札利回りは2.461%。入札 直前 の市場予想は2.489%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.74倍と、過去10回の平均値(2.68倍)を上回った。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「あらゆる面からみても入札はかなり堅調な結果だった」と述 べ、「利回りは再び大きく上昇してきた」と続けた。

米財務省は11日、30年債入札(130億ドル)を実施する。

原題:Treasury 10-Year Yields Rise Toward 2.5% as Bond Losses Steepen(抜粋)

◎NY金:3日続伸、4週ぶり大幅高-ギリシャ交渉こう着で逃避需要

10日のニューヨーク金先物相場は3日続伸。4週間ぶりの大幅高と なった。救済資金確保を目指すギリシャの新提案に対する債権者側の反 応が芳しくないことから、逃避資産としての金の妙味が高まった。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は電話インタビューで、「ギリシャのユーロ圏離 脱が容認されることはないとの考えに変わりはないが、それが起こる可 能性が3週間前と比べてどうかと問われれば、可能性は高まっていると 言わざるを得ない」と指摘。「ギリシャに関する不測の事態へのヘッジ として、対ユーロでの金買いに関心が集まっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.8%高の1オンス=1186.60ドルで終了。5月13日以来の 大幅上昇となった。

銀先物7月限は0.1%未満上げて15.959ドル。プラチナ先物7月限 は0.6%上昇の1115.20ドル。パラジウム先物9月限は0.5%高の743.50 ドル。

原題:Gold Rises Most in 4 Weeks as Greek Standoff Boosts Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、今年の高値-米在庫が6週連続減少

10日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が大幅続伸。今年の高値を更新した。米エネ ルギー情報局(EIA)の週間統計によると、米国の原油在庫は昨年8 月以来で最長の6週連続減少。製油所稼働率はこの時期としては過去最 高となった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「強気 な数字がそろった」と指摘。「製油所は記録的な稼働率で操業してお り、原油の需要は非常に強い」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.29ドル(2.14%)高い1バレル=61.43ドルで終了。昨年12月9日 以来の高値。

原題:Oil Rises to 2015 High as U.S. Inventories Fall for Sixth Week(抜粋)

◎欧州株:1カ月ぶり大幅高、ギリシャ問題で合意に至ると楽観

10日の欧州株式相場は1カ月ぶりの大幅高となった。指標のストッ クス欧州600指数は7営業日ぶりに反発。ギリシャが債務問題で合意に 至るとの楽観が背景にある。

ストックス600指数は前日比1.8%高の390.78で引けた。ギリシャが 債権者側の求めるさまざまな経済改革措置の少なくとも一つの履行を確 約すれば、ドイツは救済資金の供与に同意する可能性があると、事情に 詳しい関係者2人が明らかにした。ギリシャのチプラス首相は欧州連合 (EU)のブリュッセルでの会合の場でメルケル独首相やオランド仏大 統領と話し合う機会を模索している。

リーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネジメントの 世界株式ストラテジスト、ラース・クレッケル氏は「この件が落着すれ ば、欧州株は反発するはずだ」と発言。「欧州が最適の投資場所だとの 非常に強いコンセンサスがあったことから、ポジションが積み増されて いた。このため、多少の失望で相場は多少下げる可能性がある。ギリシ ャ情勢は正念場に近づきつつあることから、これが不安材料となってい た」と付け加えた。

個別銘柄では英タローオイルが6.7%上昇。英スーパーマーケット チェーンのJセインズベリーは4.5%値上がり。独セメントメーカーの ハイデルベルクセメントは4.9%高となった。

原題:European Stocks Climb Most in a Month on Optimism of Greek Deal(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債下落、利回り一時1%突破-供給と景気改善で

10日の欧州債市場ではドイツ10年債が下落した。利回りは一時、昨 年9月以来で初めて1%を突破した。債券入札に加え、景気見通しが明 るくなったことが背景にある。

欧州債の指標とされる独10年債利回りは上昇基調にある。わずか2 カ月前にはゼロに接近していた。同国はこの日の入札で2017年6月償還 債を40億5000万ユーロ発行した。イタリアとスペイン、アイルランド は11日に入札を実施する。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査に よれば、12日発表の4月のユーロ圏鉱工業生産は回復したとみられてい る。

INGグループ(アムステルダム)のシニア金利ストラテジスト、 マルティン・ファンフリート氏は「誰もが11日の国債入札を意識してい る」と述べ、「ファンダメンタルズの要因に一段と注目すれば、多くの 投資家がこの点で再評価を行った。実際のところ、ユーロ圏でインフレ 圧力が増し、成長は上向き、かつ強まっている」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、独10年債利回りは前日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.98%。一時は1.06%と、昨年 9月19日以来の高水準を付けた。同国債(表面利率0.5%、2025年2月 償還)価格は0.28下げ95.575。2年物利回りはマイナス0.164%で、前 日からほぼ変わらず。

原題:German Yield Breaches 1% on New Supply With Brightening Outlook(抜粋)

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