日経平均2月来の上昇率、ギリシャ期待と円高一服-内需中心

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11日の東京株式相場は5営業日ぶりに反発 し、日経平均株価の上昇率は4カ月ぶりの大きさとなった。ギリシャ情 勢の進展期待や急激な円高が一服し、市場の安定化を見込む買いが陸運 や小売、食料品など内需関連株中心に幅広く入った。陸運では、一部ア ナリストの目標株価引き上げを受けたJR3社が高い。

TOPIXの終値は前日比20.65ポイント(1.3%)高の1648.88、 日経平均株価は336円61銭(1.7%)高の2万382円97銭。日経平均の上 昇率は2月12日以来の大きさで、きょうの高値引け。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、海外株 高の流れを受けたほか、「円高も一服し、恐る恐るポジションを積み上 げているところではないか」と話した。現状の株価水準に明確な割高感 はなく、日経平均が「500円近く調整したため、押し目買いが入った」 と言う。前日までの4日続落は、1月以来の連続安だった。

ギリシャが債権者側の求める経済改革措置の少なくとも1つの履行 を確約すれば、ドイツは救済資金の供与に同意する可能性があると事情 に詳しい関係者2人が10日に明らかにした。ギリシャのチプラス首相は 欧州連合(EU)のブリュッセルでの会合の場で、メルケル独首相やオ ランド仏大統領と話し合う機会を模索している。

10日の米国株は、ギリシャ協議の行方を楽観しハイテク、金融株中 心に買われ、S&P500種株価指数が1.2%高など主要3指数は上昇。欧 州では、ストックス欧州600指数が1.8%高とおよそ1カ月ぶりの大幅高 となった。米国株オプションの指標で、投資家の恐怖心理を示すシカ ゴ・ボラティリティ指数(VIX)は2日連続で低下した。

ジュピター・アセット・マネジメントのファンド・マネジャー、ア ルジー・スミス・マックスウェル氏は「ギリシャがユーロ圏にとどまれ ば、市場は安堵(あんど)感から上昇する」と指摘。金融緩和の続く日 本は、「2015年の先進国市場の中で、最終的に一番好調に推移しても不 思議ではない」としている。

一段の円高リスク小さい

きょうのドル・円相場は、午後の取引で1ドル=123円20銭台まで 円が弱含んだ。前日は日本銀行の黒田東彦総裁が国会答弁で、実質実効 為替レートでは「ここからさらに円安はありそうにない」と発言したこ とを材料に、122円40銭台まで急激に円高方向へ振れた。

野村証券投資情報部の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテ ジストは、日本株は「おとといの下げを昨日戻してしかるべきだった が、為替の動きで売られてしまった。落ち着きを取り戻しているのがき ょうの流れ」とみる。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役 員は、円高進行リスクについて「年内に米国の利上げが行われるという 見方は変わっていない」とし、限定的との認識を示していた。

あすの株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出を控 え、6月限はきょうが最終売買日。出来高は6万2000枚と前日の14 万7683枚から急減し、期先物へのロールオーバー進展をうかがわせた一 方、最終的な売買が引け際の上げ拡大につながったとみられている。

東証1部33業種は陸運や小売、食料品、非鉄金属、パルプ・紙、サ ービスなど30業種が上昇。鉱業や石油・石炭製品、繊維の3業種は下 落。売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ 自動車、ファーストリテイリング、ソニー、パナソニック、三菱商事が 高く、モルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を上げたJR3 社、株式分割と増配を行うドンキホーテホールディングスは急伸した。 半面、ファナックや東レ、第一三共、ディスコは安い。

東証1部の売買高は21億1840万株、売買代金は2兆5719億円。値上 がり銘柄数は1490、値下がり288。

--取材協力:Adam Haigh.

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