独政府がギリシャに助け舟か、チプラス首相は銀行資金確保

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ギリシャへの融資再開に向けた同国と債権者 の協議で双方が交渉の立場を硬化させる中、ドイツのメルケル政権がギ リシャに助け舟を出すことを検討していると、事情に詳しい関係者2人 が明らかにした。メルケル首相は10日夜、ブリュッセルでギリシャのチ プラス首相、オランド仏大統領と会談した。

ギリシャの金融システムが破綻の危機にひんし、チプラス首相に時 間切れが迫る中で、メルケル政権はギリシャが債権者の要求リストのう ち、まず一つの改革を受け入れれば救済資金の供与に賛同する用意があ るもようだ。独仏ギリシャの首脳会談は2時間続き、11日未明に終了し た。

ドイツ政府報道官はそのような取引を同国は検討していないとし、 債権者側の欧州委員会、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行 (ECB)の3機関の提案以外は受け入れないと述べた。ドイツはブリ ュッセルでの首脳会談について、ギリシャが協議に「一段と真剣に」取 り組むことに同意したと説明した。同会談は事態打開には至らなかっ た。

ギリシャ支援プログラムの失効を月末に控え、ギリシャと債権者は 合意に向け行動を迫られている。欧州連合(EU)と中南米カリブ海諸 国共同体(CELAC)のサミット参加のためブリュッセルに到着した メルケル首相は記者団に対し、「意志あるところに道は開ける」と述べ た上で、「目標はギリシャをユーロ圏に残留させることだ」と語った。

格下げ

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は10日、ギ リシャの長期ソブリン格付けを従来の「CCC+」から「CCC」に引 き下げた。IMFへの返済延期はギリシャ政府が債務返済よりも年金や 国内支出を優先していることを示すと発表資料で説明した。

フランク・ギル氏率いるS&Pのアナリストらは同資料で、「公的 債権者と合意できなければ、ギリシャは1年以内に」デフォルト(債務 不履行)に陥る可能性が高いと指摘。「名目国内総生産(GDP)の好 転と公共セクターの抜本的改革なしではギリシャの債務は持続不可能 だ」と述べた。

ギリシャ政府当局者は10日にアテネで、改革プログラム策定のため の時間を得るため、同国は支援プログラムの9カ月延長を望んでいると 語った。また、チプラス首相が債権者側にこれ以上譲歩するのは難しい と説明した。

ECBは、ギリシャの銀行向け緊急流動性支援(ELA)の上限 を830億ユーロ(約11兆5000億円)と、従来の807億ユーロから引き上げ ることを10日の電話会議で決定した。引き上げ幅はこの約4カ月で最 大。事情に詳しい関係者によると、ECBの決定前にギリシャの銀行の 手元資金は約7億ユーロまで減っていた。

原題:Merkel Considers Greek Options as Tsipras Wins Aid for Banks(抜粋)

--取材協力:Arne Delfs、Brian Parkin.

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