米国債市場で金融機関が談合か、米司法省が情報収集-関係者

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米司法省は米国債市場でのトレーディングに 関する情報収集に着手したと、事情に詳しい3人の関係者が明らかにし た。ウォール街の不正行為に関してはこれまで、外国為替市場に関する 調査などで巨額の罰金や制裁金を伴う決着に至っている。

これらの関係者によると、米司法省は金と銀の貴金属市場、さらに は一部の石油指標に絡んだトレーディングにも談合の疑いがあるとして 目を向けている。

米国債市場に対する調査はまだ初期の段階にあるが、金融機関の間 で情報が不適切に共有されたかどうかが焦点だという。

米司法省の報道官、ピーター・カー氏はコメントを控えた。米国債 市場に当局の調査の目が向けられていることについては、ニューヨー ク・ポスト紙が8日に報じていた。

米国債利回りは世界の借り入れや預金の指標金利とされ、クレジッ トカードや住宅ローンの借り入れコストも左右する。国債市場としては 最大の規模を持ち、投資マネーの避難所になっており、中国や日本、サ ウジアラビアなどの国は毎年、多額のドル資金を米国債に転換してい る。こうした規模や重要性にもかかわらず、米国債市場は緩やかな規制 にとどまる。

さまざまな金融規制機関が12兆5000億ドル(約1537兆円)規模の米 国債市場を部分的に監督しているが、全体的な監督ではない。米財務省 はルール策定の権限を持つものの執行の権限はない。米当局が異常な取 引行為について通報を受ければその責任は米証券取引委員会(SEC) が負う可能性がある。ニューヨーク連銀は金融の安定などに関連して市 場を監視する。

米国債市場のどの部分に検察当局の焦点が絞られているのか、ある いはウォール街の銀行に対する特定の疑惑が調査を促したのか、現時点 では明確になっていない。

米国債市場は昨年10月15日に荒い値動きになり、過去25年で最大の 利回り変動を記録。市場関係者の間では、最も安定的な市場の一つとさ れてきた米国債市場を電子取引が損ないつつあるのではないかとの疑念 が浮上した。

米国債のマーケットメーク(値付け)業務を行う金融機関大手3社 の幹部らは昨年、匿名を条件にブルームバーグの取材に応じ、一貫性の ある規制や高頻度トレーダーを監視する技術に乏しいことが米国債市場 の危険性を高めていると指摘。価格操作のために発注後すぐに注文を取 り下げる「スプーフィング」に関する調査の必要性に言及していた。

原題:Treasuries Collusion Said to Be Hunted in New Wave of Probes (1)(抜粋)

--取材協力:Greg Farrell.

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