債券市場の嵐、ついにジャンク債に到達-ETFから資金流出

ジャンク債(高リスク・高利回り債)が突如 として輝きを失った。

世界的な債券相場急落の避難所となってきた投機的格付けのジャン ク債もここにきて総崩れの流れにのまれ、5月末以降1%近く値下が り。投資家は逃げ出し始めており、高利回り債で運用する2本の大型上 場投資信託(ETF)から過去1週間に15億ドル(約1900億円)を引き 揚げたことがブルームバーグの集計データに示されている。

これは今年1-5月に4.8%上昇した債券相場の先行きの暗転を示 すもので、ジャンク債の投資家も利回り上昇容認に限界があることを示 唆している。ブリーン・キャピタルのマクロクレジット戦略責任者ピー ター・チアー氏は9日のリポートで、「8日はリスク資産が全般に悲惨 な値動きだった。クレジット市場に脱力感が広がったのは、利回り急上 昇後で初めてだ」と指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数データによ れば、ドイツ国債を中心に世界の債券相場が5月に0.5%下落した中 で、高利回り債の安定感が目立っていたのは確かだ。世界のジャンク債 相場は同月、0.4%上昇。4月は世界の債券相場が0.6%下落した一方、 ジャンク債は1.6%上昇した。

高リスク債がこれまで抵抗力があったのは原油相場との関係が一因 で、2014年末に売り込まれていたエネルギー企業の社債価格は原油価格 の回復によって押し上げられた。また、投機的格付けの債券は期間が短 めで、高格付け債に比べてベンチマークに対する利回り上乗せ幅が厚め となる傾向がある。こうした特徴は金利とインフレ率が上昇する時期に は高リスク債を守る緩衝材となり得る。

ブラックロックのマネジングディレクター、ジェフリー・ローゼン バーグ氏は9日にブルームバーグのラジオインタビューで、高利回り債 市場が「インフレ見通しの変化にある程度の抵抗力を見せてきた」と指 摘。ただ米連邦準備制度の利上げ時期見通しの「変化に伴う一連の金利 上昇が続けば、こうした抵抗力も妨げられる恐れがある」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ブラックロックの高利回り債 ETFは8日までの6営業日で1.6%下落。9億4050万ドルの資金が流 出した。ステート・ストリートのジャンク債ETFは1.7%下げ、5 億7170万ドルが引き揚げられた。

原題:Bond Market’s Storm Finally Hits Junk Debt as Buyers Flee ETFs(抜粋)

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