渡辺JBIC総裁:1ドル=130円の円安想定せず

国際協力銀行(JBIC)の渡辺博史総裁 (元財務官)は1ドル=124-125円の円安水準で推移している為替相場 について、既に米国の利上げを織り込み済みで、130円の安値まで進む ことは想定していないとの認識を示した。

渡辺氏は9日のブルームバーグとのインタビューで、足元の水準は 「米国の金融政策の変更を織り込んでおり、130円台まではいかない」 と予想した上で、米国が利上げに踏み切った場合でも、「1-2円程度 の円安にとどまる」と述べた。

円安が日本経済に与える影響については「原油安が続く限り、120 -125円は中小企業にとっても許容の範囲内だ」としながらも、「130 -135円までの円安は悪影響を与える」と指摘。原油価格は1バレル =50-60ドル程度の水準が向こう1年間続くとみている。

為替相場は昨年10月31日の日銀の追加緩和決定後、109円台から急 速に円安が進み115円-122円台で推移していた。5月22日の講演でイエ レン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内利上げの可能性を示唆 したことから、さらに弾みがつき今月8日には一時125円86銭と2002年 6月以来13年ぶりの安値を付けた。

04年から07年に財務省財務官を務めた渡辺氏は、約1年の在任期間 中に30兆円超の大量の円売り介入を実施した前任の溝口善兵衛元財務官 から一転、介入を封印した市場重視派。「介入の効果は否定しない」と しながらも、影響は限定的で長続きはしないことから「市場で予想外の 乱高下が起こった際に限った方が良い」と慎重な姿勢を示した。

一方で、日本銀行が掲げる2年で2%の物価目標については、達成 は難しいとしながらも、今秋以降、原油価格の下落の影響が剥落し来年 にも消費者物価指数(CPI)が1.4-1.5%に上昇すれば成功したとい えると語った。また、「日銀は取り得る政策を打っており、さらなる追 加緩和は市場に大きなインパクトを与えない」と否定的だ。

安倍政権はアジアへのインフラ投資を促進するためJBICや国際 協力機構(JICA)を活用し、アジア開発銀行(ADB)と連携して 今後5年間で総額1100億ドル(約13兆円)を提供する方針。これについ て、渡辺氏は「インフラ投資に民間資金をいかに取り込んでいくかに重 点を置いて取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

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