日本株は1月以来の4日続落、日銀総裁発言で急激円高を嫌気

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10日の東京株式相場は、1月に記録して以来 の4営業日続落。日本銀行総裁の国会発言をきっかけに為替市場で急激 に円高が進み、先物の下落に連れ安くなった。海運や陸運、空運株など 原油高デメリット業種が売られ、輸送用機器や化学株も下げた。

TOPIXの終値は前日比6.14ポイント(0.4%)安の1628.23、日 経平均株価は49円94銭(0.3%)安の2万46円36銭。4日続落は TOPIXで1月7日、日経平均は同6日以来、ほぼ5カ月ぶり。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケッ ト・ストラテジストは、「国内面だけ見ると、相場が上にいく要因はた くさんあるが、米国は本当に利上げをするのか、世界的な影響はどうな るのかという見極めがつかない」と指摘。日銀総裁の発言に関しては、 「米国の利上げがない場合の反動、揺り戻しを懸念し、発言したのでは ないか」と推察した。

日銀の黒田東彦総裁は10日午後の衆院財務金融委員会での答弁で、 実質実効レートでは「ここからさらに円安はありそうにない」と述べ た。これを受け、ドル・円は一時1ドル=122円50銭と5月26日以来の ドル安・円高水準を付けた。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「様子見ム ードだったところに、為替に対し影響のある要人発言があり、株も連動 して調整含みの動きになった」と言う。

きょうの日本株は荒い値動き。1カ月超ぶりの下落率を記録した前 日からの戻りを試す流れに加え、日米経済統計の堅調が支援し、日経平 均は午後早々に一時168円高の2万264円まで上げ幅を拡大した。米労働 省が9日に発表した4月の求人件数は、前月比26万7000件増の538万件 と2000年末の公表開始以来で最高。日本の4月の機械受注統計は、船 舶・電力を除く民需が前月比3.8%増と2カ月連続のプラスだった。

しかし、日銀総裁発言後に1ドル=124円台半ばで円が弱含んでい た為替の動きが一変し、日本株上昇の勢いもしぼんだ。一時は79円安の 2万16円まで下げた。

SQ前事情も

週末には先物・オプション6月限の特別清算値(SQ)算出を控え ており、先物の翌限への乗り換え、持ち高調整の動きが活発だ。大阪取 引所の日経平均先物の出来高は14万枚超と、前日の12万8373枚を上回 り、前週1週間の平均6万8000枚から急増している。ちばぎんの奥村氏 は、「SQに向けた水準意識がある上、各国の金利が上昇、ボラティリ ティが高まり、リスク回避の動きが出てきていた」と話していた。

ギリシャ情勢や欧米長期金利の先行き不透明感も重し。ギリシャが 9日に提出した財政目標の最新提案は、チプラス首相が3日に欧州委員 会のユンケル委員長と同意した内容より後退している、と欧州連合 (EU)当局者が述べた。ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによる と、9日の米10年債利回りは一時昨年9月30日以来の高水準とな る2.45%を付けた。

東証1部33業種は海運や陸運、空運、倉庫・運輸、繊維、化学な ど25業種が下落。鉱業や非鉄金属、電気・ガス、サービスなど8業種は 上昇。鉱業は、米シェール層の原油生産の落ち込みは7月まで続くとの 米エネルギー情報局のリポートが影響し、9日のニューヨーク原油先物 が3.4%高の1バレル=60.14ドルと急反発したことを受けた。

売買代金上位ではみずほフィナンシャルグループ、村田製作所、マ ツダ、デンソー、ヤマハ発動機、イオン、ディスコ、いすゞ自動車が下 落。半面、ドイツ証券が投資判断を上げた三井不動産が高く、KDDI や国際石油開発帝石、住友金属鉱山、三井金属、大阪ガス、明治ホール ディングスは高い。東証1部の売買高は25億3522万株、売買代金は2 兆9411億円。値上がり銘柄数は640、値下がり1066。

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