債券は大幅下落、欧米債安や20年入札控え売り-長期金利0.5%台乗せ

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債券相場は大幅下落。長期金利は約1週間ぶ りに0.5%台に乗せている。前日の米国とドイツの債券相場が下落した ことに加えて、あす実施の20年利付国債入札を控えて売りが優勢となっ た。

10日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回 債利回りは0.49%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照 値より4.5ベーシスポイント(bp)高く始まった。いったん0.485%を付け た後に水準を切り上げ、0.50%と4日以来の0.5%台に乗せた。その 後0.48%まで戻したが、午後4時すぎにはドイツ10年国債利回りが1% に上昇したことなどから、今年最高水準に並ぶ0.505%を付けた。

新発5年物の123回債利回りは午後4時すぎに3bp高い0.12%と、 4日以来の水準に上昇している。新発20年物の152回債利回りは朝方に 4bp高い1.26%を付けた後、午後に入ると一時1.225%に下げ、その後 は1.245%で推移している。

野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「米国やドイツ国債 相場は下げ止まった感じではない。外債と比べると円債はましな感じ」 と話した。「あすの20年債入札で本格的に買いを入れても良いと思って いる向きが、相場が上昇したので買えないと様子見姿勢になった面もあ るだろう」と話した。

先物限月交代

長期国債先物市場で6月物は、前日比19銭安の147円12銭で開始。 その後は水準を大きく切り下げ、午後に入ると一段安となった。黒田東 彦日本銀行総裁の国会での発言を受けて円高・ドル安が進むと、いった ん買われたが、終盤売り込まれ、146円66銭と5月14日以来の安値を記 録。結局は63銭安の146円68銭で引けた。

6月物は11日に最終売買日を控え、先物限月交代に向けた動きが進 展し、9月物の日中売買高は6月物より膨らんだ。未決済残高の建玉で は、前日段階で9月物が8.3兆円と、6月物の4.5兆円を大幅に上回り、 すでに実質的な取引の中心となっていた。10日の夜間取引から9月物が 中心限月に移行している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケット エコノミストは、9日午後に相場が予想以上に上昇した反動もあって、 朝方は売り優勢の展開と説明した。「前日は流動性供給入札が強めの結 果となり、超長期セクターの需給不安が弱まったが、欧米の金利上昇で 市場の地合いが再び悪化。あすの20年債入札では利回りが1.3%に近い 水準であれば無難にこなすとみるが、結果発表までは取引手控えが続 く」と話した。

9日の米国債相場は下落し、10年国債利回りは前日比6bp上昇 の2.44%となった。一時2.45%程度と昨年10月以来の水準に達した。同 日実施の3年債入札では、最高落札利回りが4年ぶり水準に押し上げら れた。週内に米債入札が相次ぐことへの警戒感が強まった。同日のドイ ツ10年物国債利回りは7bp高い0.95%で引けた。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は、先物相場の値動きの大きさについて、「昨日、流動性供給入札が 強い結果となったことで、債券先物はショートカバーで上昇した。今朝 の動きは昨日の市場で高値つかみした投資家などが、海外債券市場の下 落を受けて軟調に寄り付いたことで、ポジションのアンワインドを余儀 なくされたものだと思われる」と説明した。

財務省は11日午前、20年利付国債の価格競争入札を実施する。償還 日が前回入札の152回債から延びるため、新しい回号となる。表面利率 (クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.3%となる見込み。発行予 定額は前回債と同額の1兆2000億円程度となる。

20年債入札について、野村証の中島氏は、「クーポンが1.3%であ れば生保でも買いを入れても良い水準なので、良い結果になるのではな いか」と話した。

日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペ2本の結果によると、 残存期間1年以下の応札倍率は2.46倍と前回の5.01倍から低下。5年 超10年以下は2.58倍と前回の2.59倍をわずかに下回った。

--取材協力:池田祐美、Daisuke Sakai.

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