MSCI、中国本土株採用を先送り-残る課題克服で当局と協力

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MSCIは9日、中国本土株のベンチマーク 指数への組み入れを先送りし、残る課題を克服するため中国証券当局と 協力する方針を表明した。中国株の指数先物は下げた。

MSCIは発表文で、中国株の市場アクセスと株式所有に関する投 資家の懸念を中国証券監督管理委員会(証監会)と協力しながら解決し た上で、人民元建てA株をグローバル・ベンチマークに組み入れること になるとの見通しを示した。MSCIはいかなるタイミングでも中国株 採用を決める可能性があると説明した。CSI300指数先物は上海時間 午前9時16分(日本時間同10時16分)時点で1%下落。SGX・ FTSE中国A50指数先物は1.1%安。

MSCIのグローバル指数への中国本土株採用の可能性をめぐって は、ファンドマネジャーの間で意見が割れている。中国株は過去1年間 に2倍強に上昇したものの、外国人投資家はリテール(小口)投資家が 取引の8割を占める市場への参入に慎重な姿勢だ。

AMPキャピタル・インベスターズのシェーン・オリバー投資戦略 責任者は電話インタビューで「すぐに実現しなかったため期待外れと受 け止める人もいるだろう」と指摘。「一方で、いずれにせよある時点で 実現するもので、単に時期の問題と受け止められる。残された幾つかの 課題を解決すればよいだけだ」とコメントした。

中国の監督当局は、MSCIの昨年の見直しで浮上した市場アクセ スをめぐる主要な問題の一部に既に対策を講じている。既存の適格外国 機関投資家(QFII)制度の下での投資枠を拡大し、昨年11月には上 海と香港の証券取引所の相互接続によって購入された株式について「一 時的に」キャピタルゲイン(譲渡益)課税を免除した。

残る課題

MSCIは発表文で、「残っている市場アクセスの問題を効果的に 解決する」方策の策定で中国当局と協力すると表明。運用資産に見合う 投資枠を投資家に提供することや流動性の改善、株式所有規制の一層の 明確化などを課題として挙げた。

中国本土株に投資する米上場投資信託(ETF)を運用するクレー ン・ファンド・アドバイザーズのブレンダン・アハーン最高投資責任者 (CIO)は9日に電話インタビューで、一部の投資家はA株がすぐに 指数に採用されると予想していたのかもしれないと指摘。「短期的に は、早期の採用プロセス開始を期待していた市場関係者を失望させるも のだ」と話した。ただ、「提起された3つの問題は乗り越えられないも のではないだろう」とも述べ、今回の発表は課題解決の必要性と採用の 可能性を資産運用者に告げるものだとし、2016年の見直しを待たずにA 株が採用されるとの見方を示した。

上海総合指数は過去1年間に152%上昇し、世界の主要ベンチマー ク指数で値上がり率最高となっている。信用買い残が過去最高に達して いるほか、中国人民銀行(中央銀行)が景気てこ入れで追加利下げに踏 み切るとの観測が株高を後押した。同指数の株価収益率(PER) は25.6倍で、MSCI新興市場指数のPERは13.9倍。

UBSウェルス・マネジメントのホルヘ・マリスカル新興市場担当 最高投資責任者は9日の電話インタビューで、「このバリュエーション では投資家はA株市場に飛び付いて買い増す可能性は低い」と指摘。 「MSCIは条件付きとしており、タイミングはやや不確かで要件は満 たされないかもしれない。来年もしくはそれ以降に先送りされることも あり得る」と付け加えた。

原題:MSCI Defers China Inclusion, Opts to Work With Regulator (1)(抜粋)

--取材協力:Zhang Shidong.

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