どこにも逃げ場がない-債券と株の分散投資が意味失う不気味さ

ポートフォリオにおける株式と債券のバラン スの良い保有を投資家が心掛けてきたとしても、今は自分たちが考える ほど資産価格の変動から守られないかもしれない。

理由はこうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が2006年以来の利 上げを検討する中で、債券相場のボラティリティーが世界的に拡大しつ つあり、市場が動揺した最近の局面では、伝統的に安全な投資先と考え られてきた債券も株価と歩調を合わせて相場が変動した。

ニコラオス・パニギリツオグル氏を中心とするJPモルガン・チェ ースのアナリストによれば、4月末以降に債券市場が動揺した局面で は、世界の債券と株式のリターンの相関が約30%に急上昇した。これは FRBが債券購入の縮小に動くとの思惑から債券相場が急落した2013年 5月の「テーパータントラム」以来で最も高い水準だ。

国債保有は株式投資のリスクヘッジ手段と考えられることが多い が、リターンの相関が高まったということは、両方の資産クラスで損失 が出たことを意味している。分散投資で確実なリターンを得ることを目 指す投資家にとって、こうした状況は厳しい。

ならば予想を上回る価格の著しい変動に投資家はどう対応するだろ うか。

JPモルガンのアナリストは5日のリポートで、「リテール投資家 が13年のテーパータントラムのように債券ファンドの解約に動き、現在 の債券売りを増幅させるリスクは存在するか。われわれの見解では答え はイエスだ。リテール投資家はマイナスの債券リターンに反応する傾向 が強い」と指摘した。

先進国のソブリン債は4月末以降3.7%、 MSCI世界指数 は0.8%それぞれ下落した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリル リンチのオプション・ボラティリティ・エスティメートMOVE指数に よると、米国債のインプライド・ ボラティリティが年初来で前年同期 比41%上昇したのに対し、株式のボラティリティを反映する指数はほと んど上昇していない。

原題:There’s No Place to Hide as Bonds Move in Tandem With Equities(抜粋)

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