高い変動率から超過収益狙う、20年国債に投資妙味とプルデンシャル

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日本国債のボラティリティ(変動率)が6年 ぶりの高い水準に達している。米プルデンシャル・ファイナンシャルは 20年物を中心にした投資戦略に妙味があり、相場の振れからくる超過収 益を狙える機会とみている。

1年ベースで見た日本国債のヒストリカル・ボラティリティは5日 、2.609%と2009年5月以来の高水準を記録した。長期金利の指標とな る新発10年国債利回りは1月に過去最低の0.195%を付けた後、4日に は一時0.505%と昨年11月以来の高水準に上昇している。

プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパンの坂 口憲治取締役投資運用本部長は4日のインタビューで、「比較的流動性 が低く、金利水準が低い中で、ボラティリティが高いため、取引コスト を抑えて、市場のゆがみを捉えていきたい」と言う。

坂口氏によると、リスク回避の状況や海外金利の低下、日本銀行に よる追加緩和に関する思惑が高まるなどの状況になれば、日本の長期金 利は過去最低を試す可能性がある。

国債の期間別で見た動きについては、「短中期ゾーンは安定して低 位に抑えられている中で、長いゾーンでは利回り曲線の形状が変化する 」と分析。運用面では、「20年債に相対的にバリューがあり、魅力的」 とする一方で、金利上昇局面には期間がさらに長めの部分を中心に利回 り曲線が傾斜化するとし、「30年、40年セクターには慎重」と言う。

「目先を考えれば、今の水準は、金利が高い局面で押し目買いのポ イント。利回り曲線的には、今の10年債利回り0.5%程度、20年債の1.2 -1.3%程度は魅力的な水準だ」と話した。新発20年国債利回りは4日 夕方に一時1.285%まで上昇し、2月17日以来の水準を付けた。

海外要因

先週の海外金利は、米国債の10年物利回りが一時2.43%と昨年10月 以来の水準まで上昇。ドイツ国債の10年物利回りは0.996%と、昨年9 月以来となる1%台に迫る場面があった。

坂口氏は、国内金利は米国金利の影響を強く受けるとした上で、「 ここ数日、火元はドイツ国債で、米国債に影響し、日本国債にも影響を 及ぼしている」と説明。「日本の投資家の活動が下がっている一方、海 外投資家の存在感が高まっている」と述べた。

さらに「ボラティリティが高いときは、リスクが高いので債券市場 にプラスではない」と指摘。海外要因が落ち着いているときは、日銀の 国債買い入れの影響が出て、金利が低下する半面、「海外要因で金利上 昇圧力がかかるときは、日銀の国債買い入れがあっても、金利上昇圧力 がかかる」、と坂口氏は話した。

かつて債券王と呼ばれ、現在は「ジャナス・グローバル・アンコン ストレインド・ボンド・ファンド」の運用を手掛けるビル・グロース氏 も、4-6月期のドイツ・米国債相場の値動きについて、「極めて大き な流動性の問題があり、日々、あるいは分単位での乱高下を認識してお り、恐ろしいほどだ」、とボラティリティなどが運用に及ぼす影響を指 摘している。

ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は3日の会見で、「市場はボラ ティリティの高い時期に順応する必要がある」と語った。日銀は異次元 緩和策の一環として過去最大の国債買い入れを実施し、国債等発行残高 の4分の1を保有するまでに至っており、ボラティリティの上昇につな がりかねない市場の流動性低下を招いている。

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