ドルが対円3日ぶり安値、上昇スピード警戒-株安で円高圧力

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東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ド ル=124円台前半と、3営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。 先週末に13年ぶりの高値に達したドルの上昇スピードに対して警戒感が くすぶる中、世界的な株価の下落基調を背景にリスク回避に伴う円買い 圧力がかかった。

9日午前3時半現在のドル・円相場は124円32銭付近。ドルは124 円74銭を上値に午後には一時124円16銭まで水準を切り下げた。ドル・ 円相場の相対力指数(RSI、14日ベース)は60台で推移しており、売 り買いの分水嶺(れい)となる50を上回ってドルがやや買われ過ぎの状 態にあることを示している。

バークレイズ銀行の門田真一郎為替ストラテジストは、米利上げが 見込まれる中でドルの上昇余地は残るとしながらも、「ドル高進行によ る物価や経済に対する抑制効果も警戒される」と指摘。また、ギリシャ 情勢をめぐるリスクや、世界的に株価が軟調になりつつある中で、「リ スクセンチメントの悪化に対する警戒からドルの高値を追いづらい状況 になりそうだ」とも言う。

8日の米国市場では、主要3株価指数がそろって下落。S&P500 種株価指数 が2カ月ぶりの安値に沈んだ。この日のはアジア株がほぼ 全面安。東京株式相場は、日経平均株価が午後の取引で下落幅を拡大 し、前日比1.8%安と4月30日以来の大幅安で引けた。

大和証券金融市場調査部の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、米雇 用統計に対して「金利もドルも過剰に反応した感があった」とし、いっ たん勢いが止まっていると指摘。「きのうあたりから株安が円高に作用 し始めた」とも言い、ドル・円相場の上値を抑える格好になっていると 話す。

ドル・円相場は5日の米雇用統計発表後に一時125円86銭と、2002 年6月以来のドル高値を付けていた。米国の10年債利回りは同日に一 時2.43%と、昨年10月6日以来の水準に上昇していたが、8日には前週 末比3ベーシスポイント(bp)低い2.38%程度となった。

米当局発言に警戒感

フランスの当局者は8日、オバマ米大統領が主要7カ国(G7)首 脳らに対しギリシャなどの地政学的リスクが金融市場のボラティリティ (変動性)を高め、金利や為替相場に影響していると述べたと語った。 この文脈で強いドルは問題だとオバマ大統領が発言したという。

これに対し、オバマ大統領は同日に記者会見し、「特定されていな い人物の引用を信用してはならない」とし、「私はそのようなことは言 っていない」と述べた。

バークレイズの門田氏は、「他の国の通貨が弱い結果、ドル高にな っており、それぞれの国は財政、金融、構造改革などで必要な措置を講 じるべきといった、ドル高自体よりもその背景を問題視しているスタン スは変わらないとみられる」と指摘する。

米国では11日に5月の小売売上高が発表される。ロイヤル・バン ク・オブ・スコットランドの平野淳外国為替営業部長は、「米経済指標 が堅調な場合、再び125円86銭を試す可能性は残る」と見込む。ただ、 ドル・円相場は日足の一目均衡表の転換線を割り込んでいることから、 「小売売上高の結果を確認する前に123円台半ばまでの下値リスクもあ る」と言う。

--取材協力:大塚美佳、Daisuke Sakai.

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