日本株1カ月超ぶり下落率、ギリシャや金利、円高警戒広がる

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9日の東京株式相場は3営業日続落し、主要 株価指数は1カ月超ぶりの下落率となった。ギリシャ情勢やドイツ長期 金利の上昇傾向、対ドルで円高方向に振れた為替動向が嫌気され、アジ ア株安や国内消費者態度指数の低下を受けた午後に入り、先物主導で下 げ足を速めた。

輸送用機器やゴム製品、電機など輸出関連株中心に幅広く下げ、鉄 鋼や非鉄金属など素材株、保険や銀行など金融株も安い。TOPIXの 終値は前日比27.62ポイント(1.7%)安の1634.37、日経平均株価は360 円89銭(1.8%)安の2万96円30銭。両指数とも4月30日以来の下落 幅、下落率だった。

三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「ア ジア株が総じて下げている中、『テーパータントラム』に対する警戒が 強い」と指摘。来週には米国で連邦公開市場委員会(FOMC)もあ り、「ビッグイベント前に利食いが出てきている」とみていた。

米国のオバマ大統領は8日、主要7カ国(G7)首脳会議でギリシ ャの支援協議が進展しないことに懸念を表明。ドイツのメルケル首相は ギリシャに迅速な行動を求めた。これに対しギリシャのバルファキス財 務相は、ユーロ圏当局者が交渉を真剣に受け止めるなら、支援資金は一 夜にして供与されるだろうと同日遅くに述べた。

また、8日の欧州債市場では、ドイツの10年債利回りが0.89%へ上 昇(価格は下落)。同日公表の4月の独鉱工業生産が予想を上回る伸び となったことが材料視された。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の 藤戸則弘投資情報部長は、「米国の利上げへの警戒、欧州の景況感改善 による金利の上昇により、これまでのグローバルな金融相場に変化が見 え始めている」と言う。

このほか仏当局者によると、オバマ米大統領はG7首脳らに対し、 ギリシャなどの地政学的リスクが金利や為替相場に影響していると述 べ、この文脈で強いドルは問題だと発言したという。オバマ大統領はG 7首脳会議の非公式の場で、強いドルに懸念を表明していないと仏当局 者の発言を否定したが、海外市場でドルが売られた流れから、きょうの ドル・円は1ドル=124円30-70銭台と、前日の日本株市場の終値時 点125円47銭から円高方向に振れた。

アジア株安、消費者態度指数

朝方から売りに押された日本株は、午後2時すぎから先物主導で下 げ幅を拡大し、TOPIXと日経平均はきょうの安値圏で終了。内閣府 が午後2時に発表した5月の消費者態度指数は41.4と前月から0.1ポイ ント下落、2カ月連続で低下した。消費者マインドについて持ち直しの テンポが緩やかになっているとし、前月の持ち直しているから判断を下 方修正した。

さらにきょうのアジア株は、中国上海や香港、台湾など総じて下 落。インドネシアは一時3%超安と下げが目立った。三菱モルガン証の 藤戸氏は、「新興国が通貨安、株安となっている点からもヘッジファン ドの巻き戻しが出ている」と話していた。週末には株価指数先物・オプ ションの特別清算値(SQ)算出を控え、1年5カ月ぶりの高水準にあ る裁定買い残の解消売りも出やすい状況にある。

東証1部33業種は保険やゴム、非鉄金属、輸送用機器、パルプ・ 紙、鉄鋼、電機、銀行など30業種が下落。水産・農林、石油・石炭製 品、電気・ガスの3業種のみ上昇。東証1部の売買高は23億6680万株、 売買代金は2兆6628億円。値上がり銘柄数は166、値下がり1652。

売買代金上位では、東京電力やみずほフィナンシャルグループ、富 士重工業、第一生命保険、村田製作所、日産自動車、DMG森精機など が売られ、クレディ・スイス証券が投資判断を下げたブリヂストンも安 い。バークレイズ証券が投資判断を上げたJR西日本は上昇、東京ガス も堅調だった。

--取材協力:佐野七緒.

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