債券反発、流動性供給入札順調や株安で買い-長期金利1週ぶり低水準

更新日時

債券相場は反発。超長期ゾーンの利回りが急 低下し、長期金利は1週間ぶりの水準に下げた。前日の米国市場で株 安・債券高となった地合いを引き継いだほか、この日実施の流動性供給 入札が順調な結果となったことを受けて買いが優勢となった。

9日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比7銭高の147 円02銭で取引を開始した。午後に入って、流動性供給入札の結果発表後 に一時147円32銭と、日中取引ベースで3日以来の高値を付けた。結 局36銭高の147円31銭で引けた。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、「警戒されていた流動性供給入札が強い結果となったことを受けて ショートカバー主導で買いが優勢となった」と説明した。「円債市場は 米連邦公開市場委員会(FOMC)や40年債入札が終わるまでは動きづ らいものの、これらのイベントを過ぎると償還金の再投資などの好需給 環境下で10年債利回りは0.40%方向に低下する可能性がありそうだ」と 述べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回 りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を0.5ベーシ スポイント(bp)下回る0.485%で始まり、午前は同水準で推移。午後 に入ると水準を切り下げ、一時は0.445%と2日以来の低水準を付け た。その後は0.45%で取引されている。新発5年物の123回債利回り は0.095%と3日以来の0.1%割れとなった。

超長期債利回り急低下

新発20年物の152回債利回りは6bp低い1.215%と2日以来の水準ま で低下した。新発30年物の47回債利回りは6bp低い1.475%と、新発債 としては5月29日以来の水準に下げた。

SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、債券相場 について、「流動性供給入札が結構強い結果だったので、午後に買いが 入っている。10年債利回りも低下しており、現物債を含めて買いが優 勢」と述べた。「午前は、先物の限月交代に絡んだ買い戻しが中心だっ た。流動性供給入札が懸念材料だったが、結果が良くて、超長期ゾーン の需給にとってポジティブ。11日の20年債入札も、それほど懸念する必 要はないのではないか」と言う。

財務省がこの日の午後零時45分に発表した流動性供給入札(発行 額3000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がマイナ ス0.005%、募入平均利回り較差はマイナス0.013%となった。今回は残 存期間15.5年超から39年未満の超長期国債が対象銘柄。投資家需要の強 弱を示す応札倍率は3.76倍と、同年限を対象とした前回の2.24倍から上 昇。昨年9月5日入札以来の水準となった。

8日の米国債相場は上昇。米10年国債利回りは前週末比3bp低下 の2.38%となった。一方、米株式相場は下落し、S&P500種株価指数 は同0.7%安の2079.28で引けた。9日の東京株式相場は下落し、 TOPIXは前日比1.7%安の1634.37で取引を終えた。外国為替市場で 円は1ドル=124円台で推移した。5日には125円台と13年ぶり水準まで 円安・ドル高が進んだ。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「株高 やドル高・円安の動きに巻き戻しが起き、債券市場は朝方から先物買い が優勢。月初からの下げ相場がいったんヤマを越えた印象」と話した。 ただ、「米国で10年債や30年債の入札が続く中、引き続き海外金利の影 響を受けやすい地合いだ」とも述べた。

--取材協力:赤間信行、Daisuke Sakai.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE