米国の雇用者増加、なお250万人が取り残されている-社説

5日に発表された5月の米雇用統計 は、世界最大の経済が厳しかった冬から持ち直しつつあることを裏付け るとして歓迎されている。しかしこの統計を、連邦公開市場委員会 (FOMC)に成長支援の政策を即座に巻き戻すよう求めるシグナルと して解釈するのは適切ではない。

5月の非農業部門雇用者数は28万人増加。増加幅の3カ月平均は 約20万7000人前後と、労働人口の自然な拡大に沿った水準を上回っ た。5.4%だった失業率が5.5%に上昇したが、これには好ましい理由が ある。職探しを開始した人が増え、労働人口が拡大したという背景だ。

確かに進展はあったものの、景気回復のプロセスが完了したと言う には依然として程遠い。パートタイムの職しか得られない労働者や、労 働力に復帰できずにいる人の数はなおも、2008年のリセッション(景気 後退)前の水準を数百万人規模で上回る。これらの人数を計算に入れれ ば、失業率は7%近い数字になる。言い換えればインフレをもたらさな い最大限の雇用確保までなお約250万人届いていない。

賃金もまだ、望ましい水準からは遠い。5月の賃金の伸びは多少加 速はした。労働省の推計では生産と非管理職の平均時給は4月か ら0.3%上がって20.97ドル(約2633円)。前年同月からは2%伸びた。 しかしながらこのペースはリセッション前の平均3.4%を大きく下回 る。

労働市場に存在するスラック(たるみ)を考慮すれば、金融緩和が 制御不能なインフレを引き起こすという過剰な心配を米当局はせずに済 む。むしろ失業者やパートタイム就労者らが再び希望するフルタイムの の職に就けるよう、金融当局は可能な政策を続けることが大事だ。国際 通貨基金(IMF)はそういう意味で、利上げ開始を2016年前半まで先 送りするよう提言した。投資家らは現在、それより数カ月早い利上げを 予想している。何らかの不測の事態が起きないとすれば、IMFの提言 は優れた考えだ。

原題:Great Job Growth, America! Just Another 2.5 Million to Go (抜粋)

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