日本株は小幅続落、米金利警戒-原油・円安デメリット意識も

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8日の東京株式相場は小幅続落。米国金利の 上昇に警戒感が根強く、前週から続く連騰後の調整ムードも残った。輸 送用機器や精密機器など輸出関連株が軟調、海外原油高や円安のデメリ ットを意識する格好で電力や空運株も安い。

TOPIXの終値は前週末比5.07ポイント(0.3%)安の1661.99、 日経平均株価は3円71銭(0.02%)安の2万457円19銭。

三菱UFJ投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、 「欧米株が下落しており、長期金利が上がっている中、日本株だけ上昇 するのは難しい」と指摘した。日経平均は15年ぶりの高値まで一度上昇 しており、「高値警戒感は引き続きある」と言う。

米国の労働省が5日に発表した5月の米雇用統計によると、非農業 部門雇用者数は前月比28万人増と、市場予想の22万6000人増を上回っ た。利上げの前倒し観測から、同日の米国債は大幅安。10年債利回りは 一時2.43%と、昨年10月以来の高水準に達した。

週明けの日本株は米雇用統計の改善、海外為替市場で一時1ドル =125円80銭台まで振れたドル高・円安の動きを材料視し反発して開 始、日経平均は一時84円高まで上げ幅を広げた。ただ、午前半ばにかけ てマイナスに転じると、その後は前日終値を挟み軟調推移。東洋証券投 資情報部の檜和田浩昭シニアストラテジストは、米国が早期利上げとな れば、「流動性が変わる可能性があり、市場参加者にとって引っかかる 部分もある」と話していた。

ギリシャ情勢の不透明感、韓国での中東呼吸器症候群(MERS) コロナウイルスの感染拡大も上値の抑制要因。ギリシャのチプラス首相 は5日、同国に対する非現実的な提案を債権者が取り下げるべきだ、と 発言。議会で演説したもので、救済資金を得る上での挑発的な姿勢を変 えていない。韓国では、MERS感染で新たに6人目の死亡が確認さ れ、10代で初の感染者も報告された。

一方、取引開始前に発表された日本の1-3月期国内総生産 (GDP)改定値は、前期比年率3.9%増と速報値の2.4%増から上方修 正された。市場予想は2.8%増。国際投信投資顧問の加藤章夫トレーデ ィング部長は、「追加緩和が少なくとも下期中にはなかなかなさそう、 という見方につながる」としていた。

東証1部33業種は電気・ガス、空運、サービス、精密、鉄鋼、輸送 用機器、電機など20業種が下落。空運は、前週末の海外原油高や MERS関連情報が嫌気され、電力も原油高・円安によるコスト増が懸 念された。5日のニューヨーク原油先物は、米国での石油リグ(掘削装 置)稼働数が26週連続で減少したことを受け、2%高の1バレル =59.13ドルと反発した。

一方、石油・石炭製品やその他金融、倉庫・運輸、海運、銀行な ど13業種は上昇。銀行は、5月の貸出動向で伸びが確認された地銀中心 に買われた。東証1部の売買高は21億1708万株、売買代金は2兆2882億 円。値上がり銘柄数は856、値下がりは875とほぼ拮抗(きっこう)。

売買代金上位では、東京電力やファナック、アステラス製薬、九州 電力、日本航空、シマノが安く、5月単体売上高が前年同月比2.7%減 だった電通も売られた。半面、第一生命保険やユニ・チャーム、アイフ ル、スクウェア・エニックス・ホールディングス、アイフルは上げ、来 年の主要国首脳会議(サミット)開催地が三重県の伊勢志摩に決まり、 現地への鉄道路線を持つ近鉄グループホールディングスも高い。

--取材協力:Yuji Nakamura.

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