ドイツ銀のクライアン氏起用、信頼回復寄与か-UBSで実績

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ドイツ銀行はアンシュー・ジェイン氏率いる 経営体制に突如として幕を引き、スイスのUBSの元幹部であるジョ ン・クライアン氏(54)にコスト削減や収益性改善、訴訟問題の解決に 向けた取り組みを託す。

ドイツ銀は7日、同行を20年で債券ビジネスの業界大手に成長させ たジェイン共同最高経営責任者(CEO、52)が今月末で退任すると発 表。ドイツ語を話す英国人で監査役会メンバーのクライアン氏がユルゲ ン・フィッチェン共同CEOと共に経営に当たることを明らかにした。 フィッチェン氏(66)は来年5月に退任し、クライアン氏が単独の CEOとなる。

規制当局による欧州金融機関への監視や資本要件が強化される中、 クライアン氏は多額の訴訟関連費用にあえぎ経営てこ入れ戦略への疑念 が生じているドイツ銀行の経営を引き継ぐことになる。ジェイン、フィ ッチェン両共同CEOは利益目標を達成できず、株価は世界の他の大手 金融機関に出遅れていた。

ジェフリーズのアナリスト、オマー・フォール氏(ロンドン在勤) は顧客向けリポートで、「ジョン・クライアン氏のCEO就任によって ドイツ銀は、投資家の意識の中で信頼性が最も低い部類から最も高く評 価される銀行の一角に移ると思う」と指摘。「戦略や資本増強の面で劇 的な変化は予想しないものの、実行力に関する市場の信頼は明らかに高 まるはずだ」と述べた。

クライアン氏は信用危機時にUBSの最高財務責任者(CFO)と して同行を破綻の瀬戸際から回復させることに貢献したとして、投資家 の尊敬を集めた。同氏がCFOに就任した08年にUBSは米住宅市場に 絡んだ過去最大の損失に見舞われていた。

ケプラー・シュブルーのアナリスト、ディルク・ベッカー氏は 「UBSは大きな危機にあったが、クライアン氏がうまくそれに対応し た」と指摘。「彼はコミュニケーションにも極めて優れており」、それ によって投資家からポイントを獲得したと付け加えた。

クライアン氏は11年にUBSを退社し、シンガポールの政府系投資 会社テマセク・ホールディングスに移籍。欧州担当社長として2年間勤 務した後、13年にドイツ銀の監査役会に入り、監査やリスクの委員会に 属していた。

原題:Jain Era Ending as Deutsche Bank Calls Upon Former UBS CFO Cryan(抜粋)

--取材協力:Jeffrey Vögeli、Dakin Campbell、Bradley Keoun.

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