6月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル125円後半、13年ぶり高値-雇用統計堅調で

5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で13年ぶりの高値 に上昇した。米雇用者の伸びが市場予想を上回ったことから、年内利上 げが正当化されるとの見方が強まった。

ドルは大半の主要通貨に対して値上がりした。5月の米雇用統計で 非農業部門雇用者数は市場予想を上回り、賃金の伸びは加速した。ニュ ーヨーク連銀のダドリー総裁はミネアポリスで講演し、労働市場の改善 が一層進んだ場合、金融当局は年内に利上げを開始する可能性が高いと の認識を示した。金利先物動向に関するブルームバーグのデータによれ ば、9月の会合までに利上げが実施される確率は50%超と市場はみてい る。

ゲイン・キャピタル・ホールディングス傘下フォレックス・ドッ ト・コムのアナリスト、マット・ウェラー氏は電話取材で、「ドル君臨 のトレードが続いている」と指摘。「米利上げ時期という意味では9月 に照準が定まる。ドルに関してまだ楽観的だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比1%高の1ド ル=125円63銭。一時は2002年6月以来の高値に達した。ドルは対ユー ロで1.1%高の1ユーロ=1.1114ドル。週間ベースでは1.2%安。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は前日比0.8%上昇し1192.75。

雇用統計

5月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月 比28万人増。伸びは過去5カ月で最大となった。家計調査に基づく失業 率は5.5%に上昇した。

5月の平均時給は前月比0.3%増。前年比では2.3%増となった。

雇用統計発表後に米国債利回りは上昇し、10年債利回りは昨年10月 以来の高水準をつけた。ブルームバーグがまとめたデータによれば、米 利回りは主要7カ国(G7)の平均値をほぼ1ポイント上回る。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は「労働市場の改善が続き、イン フレ期待が今後もしっかり抑えられた場合は、成長見通しをめぐり暗雲 が垂れ込めない限り、金融政策正常化の年内開始決定を支持するだろ う」と述べた。

ECB

ドルは週間ベースでは下落した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ 総裁の発言を受けてドイツ国債利回りが急上昇した。総裁は域内のイン フレ率が上昇し始めるとの見通しを示した。

オアンダ(カナダ・トロント)のシニア通貨アナリスト、アルフォ ンソ・エスパルザ氏は電話インタビューで、「米国が利上げを開始すれ ば」、その他の国や地域が金融緩和を続ける中、ドルは上昇すると指 摘。ドルは「全面高となるだろう」と述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物動向を基にしたブルームバー グの算出によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利上げを 実施する確率は53%。雇用統計発表前は46%だった。

原題:Dollar Surges to 13-Year High Versus Yen as Jobs May Spur Fed(抜粋)

◎米国株:S&P500種下落、雇用統計で利上げ観測強まる

5日の米国株は下落。S&P500種株価指数は週間ベースで先週に 続き下げた。朝方発表された米雇用統計は予想を上回る雇用増が示さ れ、年内利上げの見方が強まった。

バイオテクノロジー株と金融株を中心に小型株は上昇した。公益事 業株は下落。債券利回り上昇を背景に銀行株は上昇した。JPモルガ ン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)はいずれも高い。エ ネルギーは原油高を手掛かりに上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の2092.83 。ダウ工業株30種 平均は56.12ドル(0.3%)下げて17849.46ドル。ラッセル2000指数 は0.8%上昇した。

スタイフェル・ニコラウス(セントルイス)の運用担当者、チャ ド・モーガンランダー氏は雇用統計について、「第1四半期から第2四 半期初めまでの低迷が一時的な可能性であることを裏付けた」と述べ た。「賃金の伸びが加速し始めるか、もしくは全ての分野で活動が活発 になり始めれば、当局は9月か10月に動くだろう。これは景気にとって は明るい材料だ」と続けた。

米雇用統計

労働省が発表した5月の雇用統計によ ると、雇用者数の伸びは過 去5カ月で最大となった。5月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季 節調整済み)は前月 比28万人増。市場予想の中央値は22万6000人増だ った。前月は22万1000人増に修正された(速報値22万3000人増)。家計 調査に基づく失業率は5.5%に上昇した。

CMEグループのデータによると、今年10月までに利上げされる確 率は53%と、4日の44%から上昇した。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、労働市場の改善が一層進んだ 場合、金融当局が年内に利上げを開始する可能 性はなお高いとの認識 を示した。ただ、雇用の見通しは不透明感が増しているとも指摘した。

また米連邦準備制度理事会(FRB)のタルーロ理事は米経済成長 が若干勢いを失った可能性があると述べ、景気減速が一時的なのか定着 したものなのかという疑問を投げ掛けていると指摘 し、経済見通しに 念を示した。2日にはブレイナードFRB理事も講演で、米経済が海外 からの向 かい風をどのようにしのいでいるかがはっきりするまで「状 況を注意深 く見守る」姿勢を表明していた。

ボラティリティ指数

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は3.4%低下して14.21。週間ベースでは2.7%上昇と、2週 連続で上昇した。

この日のS&P500種産業別10指数は7指数が低下。通信株や必需 品株、公益事業株などが売られた。一方、金融株とエネルギー株は上昇 した。電話大手ベライゾン・コミュニケーションズは1.8%値下がりし た。

公益事業株は1.3%安。ウィスコンシン・エナジーやPPLはいず れも下げた。

リージョンズ・ファイナンシャルとチャールズ・シュワブを中心に 金融株は上昇。保険株も高い。メットライフとプルデンシャル・ファイ ナンシャルはいずれも上昇した

原題:S&P 500 Declines as Jobs Data Boost Case for Interest-Rate Rise(抜粋)

◎米国債:下落、10年債は昨年10月来の高利回り-雇用統計響く

5日の米国債は大幅安。10年債利回りは昨年10月以来の水準に上昇 した。5月の米雇用者数が予想を上回る伸びとなり、金融当局が9月に も利上げに動くとの観測が強まった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「『これは強い数字だ』とい う驚きの声が上がった」とし、「フロア全体で素早い反応があり、債券 のデスクは取引を開始した」と述べた。

5月の雇用者数の伸びを受け、マネーマーケット・デリバティブの トレーダーらがみる9月利上げの確率は50%を超えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.41%。一時2.43%と、10月6日以来の高水準を付 けた。年初来の最低は1月30日の1.64%。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「売り、売り、売り一辺倒だ」とし、5月の雇用統 計で「経済が下期に回復しないのではないかという懸念がかなり緩和さ れた」と続けた。

雇用統計

米労働省の発表によると、5月の非農業部門雇用者数(事業所調 査、季節調整済み)は前月比28万人増。市場予想の中央値は22万6000人 増だった。5月の平均時給は前月比0.3%増。前年比では2.3%増となっ た。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの世界債 券グループのマネーマネジャー、ジム・キャロン氏は「労働市場は若干 タイトになり始めている。労働者を見つけるのが難しくなっており、企 業は賃金引き上げを余儀なくされている」と指摘した。

ブルームバーグがまとめたフェデラルファンド(FF)金利先物動 向によると、9月の利上げを見込んだ確率は54%と、雇用統計前の46% から上昇した。

欧州でのインフレの兆しや欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の ボラティリティをめぐる今週の発言を受けて、ドイツ10年債利回り は1999年以来の大幅上昇となり、世界的な債券売りに拍車が掛かった。

2013年と類似

米10年債利回りは4月17日以降50bp上昇しており、投資家の間で は2年前に債券利回りが急上昇した「テーパータントラム」を想起させ るとの声も出ている。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で債券運用に携わるジェイ・ミュラー氏は、「ある意味で2013年と 非常に良く似ている感じだ。ただ当時ほど極端ではないかもしれない」 と述べた。

原題:Trading Desks Roar as Job Gains Send U.S. Yields to 2015 Highs(抜粋)

◎NY金:続落、11週間ぶり安値-米雇用者の伸びが予想上回る

5日のニューヨークの金先物相場は続落。11週間ぶりの安値となっ た。米雇用者の伸びが市場予想を上回ったことから、利上げの根拠が強 まったと受け止められた。

ペンション・パートナーズの最高投資責任者(CIO)、エドワー ド・デンプシー氏は電話インタビューで、「きょうのデータは金融当局 に利上げの根拠を与える。金利上昇は金にとって好ましいことではな い」と指摘。「良好な経済指標でリスクオンのシナリオが強まる。それ はやはり金にとって不利だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.6%安の1オンス=1168.10ドルで終了。一時は1162.10 ドルと、中心限月としては3月19日以来の安値をつけた。

銀先物7月限は0.7%下げて15.984ドル。プラチナ先物7月限 は0.7%安の1092ドル。パラジウム先物9月限は0.6%下落の750.95ド ル。

原題:Gold Drops to 11-Week Low as U.S. Adds More Jobs Than Forecast(抜粋)

◎NY原油:反発、リグ稼働数の減少で-OPECは目標維持

5日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が反発。米国での石油リグ(掘削装置)稼働 数が26週連続で減少したことを受け、米国での生産が減少するとの観測 が広がった。週間では3月以降で初のマイナス。石油輸出国機構 (OPEC)は総会で生産目標の維持を決定した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「市場ではリグ稼働数の 大幅減が生産減少につながるとの見方が広がっている」と指摘。「米国 の供給がタイトになるとの見通しで、価格は上昇している。米国での生 産が近く減少し始めない場合は、価格はすぐに圧迫されるだろう」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.13ドル(1.95%)高い1バレル=59.13ドルで終了。週間では1.9% の値下がり。先週までは過去最長の11週連続で上昇していた。

原題:Oil Climbs as U.S. Rigs Extend Record Decline; OPEC Keeps Target(抜粋)

◎欧州株:ギリシャ中心に4日続落-IMF支払い先延ばしで

5日の欧州株式相場はギリシャを中心に下落。指標のストックス欧 州600指数は4日続落となった。同国が国際通貨基金(IMF)に対 し、今月中の4回の支払いを月末に一括実施する要請を行ったことが背 景にある。こうした措置が必要になる国は1980年代以降初めて。

ストックス600指数は前日比0.9%安の389.00と、約1カ月ぶりの安 値で引けた。一時は1.4%下げたが、5月の米雇用統計で非農業部門雇 用者数の伸びが予想を上回り賃金上昇の加速が分かると、この下げ幅を 縮小した。

ギリシャのアテネ総合指数は5%安と、西欧市場の主要株価指数の 中で最も下げた。ギリシャ・ナショナル銀行、ユーロバンク・エルガシ アス、ピレウス銀行が大きく売り込まれた。

ポツダム貯蓄銀行のポートフォリオマネジャー、ミヒャエル・カプ ラー氏は電話で、「この日が期日だった支払いをギリシャが行わなかっ たため、少なくともあと1カ月は不透明感が続く」と指摘。「リスクの 高い取引を解消して利益を確定したい時期であり、センチメントは損な われている。市場としては良い入り口に差し掛かりつつあるのかもしれ ないが、何らかのサポートが必要だ」と語った。

ストックス600指数は前週末比では2.7%下げ、1月以来の2週連続 安となった。ギリシャ債務協議の難航が続いているためで、4月に付け た過去最高値からは6.1%下落している。

ドイツのDAX指数は1.3%安。4月に付けたこれまでの最高値か らは9.5%安となった。フランスのCAC40指数は1.3%、イタリアの株 価指数は2.1%それぞれ下げた。

個別銘柄では、英携帯電話サービスのボーダフォン・グループ が2.4%値下がり。米メディア企業リバティ・グローバルとは合併では なく、資産交換の可能性について協議していることを明らかにした。ド イツ銀行は1.7%下落。事情に詳しい関係者によれば、同行はロシアの 顧客によるマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで内部調査を実施し ている。

原題:Greek Stocks Lead Europe Shares Lower After IMF Payment Deferral(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が週間ベースで下落、利回り上昇幅は98年以降最大

5日の欧州債市場ではドイツ国債が前日からほぼ変わらずとなった ものの、週ベースでは1998年以降で最悪の1週間となった。

2カ月足らず前には、ドイツ10年債利回りは欧州中央銀行 (ECB)の国債購入を手掛かりにマイナス圏に入る寸前だった。それ が今週はインフレ上昇の初期兆候とドラギECB総裁のボラティリティ 容認発言を受けて売りが膨らみ、利回りは大幅上昇。この日発表された 5月の米雇用統計で雇用者数の伸びが過去5カ月で最大となったことも あり、利回りは高止まりした。

ウニクレディト(ミラノ)のシニア債券ストラテジスト、ルカ・カ ツラーニ氏は利回り「上昇の勢いは極めて強い」とし、「インフレ率が 予想を上回ったほか、ECBは一段とハト派的になるとの見方があった ものの、ドラギ総裁はより中立的でボラティリティに順応すべきだと発 言した。ただ、利回りの上昇の仕方について語る際には、数カ月にわた って低下していたことを忘れるべきではない」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ横ば いの0.84%。前日は昨年9月以来の高水準となる0.996%に達した。4 月には0.049%まで下げていた。今週の利回り上昇幅は36bpで、これ は1998年10月以降の最大。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還) 価格は96.81。5月29日は100.12だった。

原題:German Government Bonds Have Worst Weekly Performance Since 1998(抜粋)

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