FX投資家は米雇用好調なら「損切り」か、ドル売り持ち膨らむ

12年半ぶりの水準までドル高・円安が進む 中、日本の外国為替証拠金取引(FX)投資家のドル売り持ち高が約3 年半ぶりの水準に膨らんでいる。米雇用統計が好調な結果となれば、 「損切り」に追い込まれ、ドルの上昇が後押しされる可能性があるとの 見方が出ている。

東京金融取引所が運営するFX取引所「くりっく365」では、 FX投資家のドル・円の売り持ち高が5月26日時点で9万3038枚 と、2011年12月以来の高水準となっている。ドル・円相場は今月2日に 一時1ドル=125円05銭と02年12月6日以来のドル高値を付け、5日の 東京市場では124円台半ばで推移している。

SMBC信託銀行のトレーダー、シモン・ピアンフェティ氏は、 FX投資家は「次のドル高局面に耐えきれないだろう」と指摘。ドル が125円台で上伸すれば、徐々にドル売り持ち高を買い戻さなくてはな らなくなるとみる。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、5月26日時点の円持 ち高が6万2224枚の売り越しと1月最終週以来の水準に拡大している。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、121円から125円 までは投機的な動きでドルが押し上げられた感があるとした上で、短期 的にドル・円相場の上昇が行き過ぎとの相場観も持っている個人投資家 がドル売り持ち高を構築する「典型的な逆張りパターン」になっている と言う。

ドル・円相場は3月10日に一時122円03銭と、07年7月以来の水準 までドル高・円安が進行。その後はレンジ内での取引が続き4月は月間 の値幅が2円34銭にとどまっていたが、5月22日に米連邦準備制度理事 会(FRB)のイエレン議長が年内の利上げを示唆する発言をしたこと を受けて、ドルが上げ足を速めた。

米国では5日に5月の雇用統計が発表される。ブルームバーグがま とめた市場予想では、非農業部門の雇用者数が前月比で22万6000人増 と、4月の22万3000人増を上回る伸びが見込まれている。

佐藤氏は、今後は雇用統計次第だとし、結果が良ければ、IMMポ ジションで円売りが進む可能性があると予想。125円05銭を超えて126円 を目指すかが焦点になるとし、「123円、124円でドル売り持ち高を作っ た人たちがあぶり出される可能性がある」とみている。

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