日本の「先見の明」が実を結ぶ-南アでのプラチナ開発投資

日本は南アフリカ共和国にある巨大プラチナ 鉱床の権益を入札にかける。自動車メーカーが開発を進める燃料電池車 (FCV)などにも使われるプラチナは、今後ますます需要拡大が見込 まれ、その安定供給を見据えて日本が手に入れた権益だ。

このウォーターバーグ鉱床からは世界3位の規模のプラチナ・パラ ジウム鉱山が誕生する見通し。日本の独立行政法人、石油天然ガス・金 属鉱物資源機構(JOGMEC)は来年4月までに保有する28%の権益 を日本の複数の民間企業に売却する方針だ。

自動車の触媒コンバーターに使用されるプラチナの世界生産量の6 割余りが南ア産。同国で現存するプラチナ鉱山は掘り尽くされた状況に 近い。

JOGMEC資源探査部探査第二課(アジア・アフリカ地域)課長 の椛島太郎氏はインタビューで、南アからの供給が細れば、日本の自動 車メーカーにとって深刻な頭痛の種になると語った。同法人は2000年代 後半に南アのブッシュフェルド地域北部に注目し始めたという。

この地域でJOGMECは、カナダのプラチナム・グループ・メタ ルズ(PGM)と組み、同社の探査を資金面で支えた。そして11年、チ ームは世界最大級のプラチナ鉱床をたった3本目の掘削で掘り当てた。 当初の鉱山開発費は8億ドル(約996億円)と推計されている。

PGMのマイケル・ジョーンズ最高経営責任者(CEO)は、適切 なプラチナ投資を行うためには「7年前の時点で先見の明を持つ必要が あった」と東京都内でのインタビューで指摘。「地図上での手探り状態 だった段階からJOGMECは関わってきた」と語った。

PGMが鉱床を発見した11年、JOGMECは加アイバンホー・マ インズが探査中の別のプラチナ鉱床の一部権益も取得した。

ウォーターバーグでの生産開始は19年ごろ、南へ80キロほどの地点 にアイバンホーが持つプラットリーフ鉱床はその1年後の予定。プラッ トリーフにはJOGMECのほか、伊藤忠商事や日揮の日本勢で計10% の権益を持つ。

ジョーンズCEOは、どちらの鉱床にも出資している日本が精錬所 建設を決めるかもしれないと話す。そのコストは10億ドルを超える可能 性がある。

新たな精錬所を建設するか、それとも既存プラントの能力を借用す るのかの決定は、ウォーターバーグの権益を新たに握る者が担うことに なる。入札には日本の商社などが参加すると考えられる。

原題:Driven by Need for Platinum, Japan Strikes Big in African Veld(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE