日本株反落、海外金利警戒や重要イベント待ち-金融中心売り

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5日の東京株式相場は反落。海外長期金利の 上昇に対する警戒やギリシャ情勢の不透明感、国際通貨基金(IMF) による米国経済成長予測の引き下げも嫌気され、保険や銀行など金融株 中心に売られた。商品市況の下落を受け商社や石油株も安く、電機など 輸出関連株も軟調。

TOPIXの終値は前日比6.83ポイント(0.4%)安の1667.06、日 経平均株価は27円29銭(0.1%)安の2万460円90銭。

明治安田アセットマネジメントの小泉治執行役員は、「日本株は水 準的に割安とは言い難いところにきている」とし、日本時間今夜に発表 される米雇用統計では「年内利上げを補強するような強めの数字が出る のではないかとの警戒があり、いったん利益を確定しようとの動きがあ る」と話していた。

4日の欧州債市場ではドイツ国債が反発。10年物利回りは8カ月ぶ り高水準を付けた後、下げに転じた。ドイツ10年債利回りのこの日の取 引レンジは、17ベーシスポイントと過去1年の1日当たり中央値の約4 倍。シカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数(VIX) は7.7%上昇し、14.71と5月7日以来の高水準となった。

ギリシャと債権者の協議が大詰めを迎える中、同国はIMFに対 し、6月中の4回の返済について、5日期限分も含め月末の一括払いに まとめる措置を要請した。こうした要請は、ギリシャ財政が一段とひっ 迫していることを示す。

また、IMFは4日、2015年の米経済成長予測を3.1%から2.5%に 引き下げ、連邦公開市場委員会(FOMC)は初回利上げを16年前半ま で先送りすべきとの認識を示した。IMFによる米成長率予測の引き下 げは、ことしに入り2度目。米連邦準備制度理事会(FRB)のタルー ロ理事は国際金融協会(IIF)での会合で、米経済成長が若干勢いを 失った可能性があると述べ、経済見通しに懸念を示した。

午後は下げ渋る

きょうの日本株は不安定な海外金利、欧米株安を嫌気する格好で下 落して開始。海外での重要イベントを控え、積極的な買いは見送られ た。5日公表予定の5月の米雇用統計では、22万6000人の雇用増が予想 されている。前月は22万3000人増。5日には、石油輸出国機構 (OPEC)総会もある。

内藤証券の田部井美彦市場調査部長は、「いくつも答えを出さなけ ればならない問題がある上、相場の位置が高く、こう着状況」と指摘。 バリュエーション面から上値を追える優良株が減ってきており、「実際 の収益上振れを確認する必要がある」と言う。内外長期金利の上昇につ いては、「買い手不在を表し、市場のゆがみが反映されてきている懸念 がある」とした。

もっとも、米雇用統計後のマーケットの方向感が読みづらく、売り 圧力も限定的で、午後の株価指数は下げ渋った。「米雇用統計は上振れ るだろう。1-3月は天候不順や港湾ストが影響したためで、足元の米 景況感は悪くないとの見方になるなら、来週は強めのマーケット」と田 部井氏は予想する。

東証1部33業種は保険、その他金融、銀行、石油・石炭製品、卸 売、海運、証券・商品先物取引、鉄鋼など27業種が下落。石油・石炭製 品や商社など資源関連は、OPEC総会で生産目標が維持されるとの見 方から、4日のニューヨーク原油先物が2.8%安と続落したことや金属 市況の下落を受けた。陸運や空運、食料品など6業種は上昇。

売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほ フィナンシャルグループ、オリックス、楽天、第一生命保険が下げ、投 資判断の引き下げが相次いだ電通も安い。JR東日本やオリエンタルラ ンド、ANAホールディングス、カシオ計算機、JR西日本は高い。東 証1部の売買高は23億3232万株、売買代金は2兆4544億円。上昇銘柄数 は773、下落は954。

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