債券上昇、独米長期金利の低下受け買い先行-高利回りで需要喚起

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債券相場は上昇。ドイツと米国の長期金利が 低下して引けたことを受けて、買いが優勢の展開となった。前日の相場 で長期債利回りが年初来の高水準に達したことも需要を喚起した。

5日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比18銭高の147 円11銭で取引を開始。前日の海外債券市場動向を受けて高く引けた夜間 取引の流れを引き継いだ。午後に一時147円18銭と2営業日ぶりの高値 を付ける場面もあった。結局は8銭高の147円01銭で引けた。

現物債相場も買いが先行した。長期金利の指標となる新発10年物国 債の339回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参 照値を1.5ベーシスポイント(bp)下回る0.475%で取引を開始した後、し ばらく同水準で推移。午後の取引終盤にかけては売りに押され0.485% に水準を少し引き上げる場面もあったが、参照値の0.49%を下回っての 展開に終始した。前日に入札された30年物の47回債利回りは1.5bp低 い1.505%まで買われたものの、1.525%に水準を上げた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「国内債は欧州債急落 『第三波』を恐れながらのトレード」と指摘。「今週は予想よりも早い 『第二波』により、日本国債の金利レンジも修正を迫られたが、短期的 な相場パターンは従来描いたように月後半に向けて金利低下余地を試す のではないか」と言う。

日銀買いオペ

日本銀行は午前の金融調節で、総額1兆1550億円の長期国債買い入 れオペ4本を実施。応札倍率は残存期間1年超3年以下、3年超5年以 下、10年超25年以下で前回に比べて低下した半面、25年超は上昇した。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は、この日の相場について、「海外金利の動向に影響を受けている」 と指摘。「米雇用統計を控えて、円債は欧米金利に振らされているが、 動きは限定的。日銀オペでたんたんと一人で買っている感じだ」と述べ た。

4日の独米国債相場は値動きの荒い展開ながら、最終的には上昇し て引けた。米10年国債利回りは前日比6bp低い2.31%程度。ドイツ10年 債利回りは、一時8カ月ぶりの高水準となる1%台に接近した後に低下 し、結局は0.84%で引けた。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、「ドイツ や米国の長期金利は一段の上昇後に低下し、今後も波乱含みの展開が続 く見通し」としながらも、「ECB(欧州中央銀行)の買い入れで欧州 の金利高はいずれ鎮静化。米国は弱めの雇用統計が出た場合に買い戻さ れる余地がある」と指摘。「今週は10年債と30年債の入札を順調に通過 し、海外市場の不安定ぶりが警戒されながらも、利回りが切り上がった ことで一定の需要を喚起した」とも述べた。

--取材協力:赤間信行.

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