IMF報告:米利上げは来年に先送りを、成長率予測引き下げ

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国際通貨基金(IMF)は米経済成長予測を 引き下げ、連邦公開市場委員会(FOMC)は初回利上げを2016年前半 まで先送りするべきだとの認識を示した。IMFによる米成長率予測引 き下げは今年に入り2度目となる。

IMFは米国経済に関する報告書で、ドル相場は「やや過大評価さ れている」との見方を示し、さらに著しく上昇した場合は「悪影響が予 想される」と指摘した。

米金融政策については、「FOMCはデータに基づいて決定する姿 勢を維持し、賃金インフレもしくは価格インフレが現在よりも鮮明化す る兆候が増えるまで、政策金利の初回引き上げを先送りするべきだ」と 提言。「成長とインフレに上向きのサプライズがないことを前提とする と、当基金がまとめたマクロ経済の予測に基づいた判断としては利上げ を2016年上期に先送りすることになろう」としている。

IMFはさらに、ドル高と石油関連投資の落ち込み、第1四半期に 西海岸の港湾で起きた労使紛争が影響し、今年の米経済成長率は2.5% に押し下げられるとの予測を示した。従来の予測は3.1%成長だった。 ブルームバーグの調査でも今年の米成長率は2.5%が見込まれている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は5月22日、景気 が想定通りに回復した場合は年内の利上げが適切になるとの認識を示し た。その上で、「労働市場環境が引き続き改善し、インフレが中期的に は2%に戻ることを合理的に確信する必要がある」とあらためて表明し た。

低インフレ

ドル高や世界的なディスインフレ傾向で、インフレ圧力は弱まる可 能性が高いとIMFは指摘した。

報告書でIMFは「インフレに力は見られずインフレ期待もしっか りと抑制されている状況、米金融当局の信頼性、インフレとスラック (たるみ)との比較的フラットな関係、これらは賃金や物価の上昇が急 に加速する可能性が低いことを示唆している」と記した。

このほかドル相場について、「やや過大評価されている」とし、米 国の経済成長や雇用創出に悪影響を与えつつあると指摘した。

IMFは「ドルが一段と顕著に上昇する場合、特に米国と海外の双 方で低成長への対応策の効果が弱まっている環境では、悪影響が及ぶリ スクがある」と記した。

原題:Fed Urged by IMF to Postpone Rate Liftoff to First Half of 2016(抜粋)

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