債券トレーダー、会議に出る暇ない-欧州発パニック目離せず

世界の債券市場で売りが続いている。ドイツ 国債の記録的な下げが米国と日本にも波及、トレーダーは緊張を強いら れる日々だ。

世界同時多発デフレが回避される兆候とユーロ圏経済の改善に、債 券トレーダーらは不意打ちを食った。3日には欧州中央銀行(ECB) のドラギ総裁が最近のボラティリティに投資家は順応する必要があると 発言、新たな一斉売りを引き起こした。

ED&F・マン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債 券・金利・クレジット責任者、トーマス・ディガロマ氏は「欧州で起こ っていることという点で、市場はパニック状態だ」と述べた。

需要が喚起されるとみていた水準を超えても買いが入らず、利回り が上がり続けるのを眺めながら、世界の債券トレーダーは他のことに手 が付かなかった。ディガロマ氏もミーティングをキャンセルした。

米マサチューセッツ州ケンブリッジで会議に出ていたマイケル・ロ リジオ氏は、急落するドイツ国債の価格が表示される電話のスクリーン から目が離せなかった。同氏は会議を早々に切り上げてボストンのオフ ィスに戻った。

「話など耳に入らなかった。ただ値動きを見つめていた」と、マニ ュライフ・アセット・マネジメントの債券トレーダーの同氏は話した。 「価格は急激に動いていた」という。

ドラギ総裁は3日の政策決定後の記者会見で、債券大幅安の原因は ユーロ圏の景気・インフレ見通しの改善や発行増、ボラティリティの高 さ、流動性の低さなどだろうと語った。

ECBの量的緩和(QE)は債券の需要を高め、利回りを低く抑え るはずだったがそうはならなかった。利回りがゼロに近い状態が長くは 続かないと考えて大きなポジションを組んだため、投資家が値動きに敏 感になっていたとビアンコ・リサーチのジム・ビアンコ氏が分析した。

4日現在、バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのグロ ーバル・ブロード・マーケット債券指数は年初来で0.4%下落。4月半 ばには2.3%上昇だった。

原題:Bond Rout Wipes Out 2015 Gain as Traders Fret Even Leaving Desks(抜粋)

--取材協力:Alexandra Scaggs、Daniel Kruger、Andrea Wong、Susanne Walker Barton、Liz Capo McCormick、Alastair Marsh、Wes Goodman.

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