安全保障強化と不況克服、プーチン氏の答えは「軍産複合体」

ロシアのプーチン大統領の最終的な狙いが不 可解なら、その目的を達成するための手段となる資金にも謎が多い。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、同大統領は前例のない 規模の機密費を投じ、ロシアの軍備増強を加速させている。その規模は 冷戦以降で最大。モスクワの独立系シンクタンク、ガイダル研究所は、 連邦予算に計上されているものの項目別に仕分けられていない資金 が2010年から倍増し、現時点で総額3兆2000億ルーブル(約7兆3000億 円)に上ると試算する。

ウクライナをめぐる対ロシア制裁や原油価格急落に苦しむプーチン 大統領は、低迷する国内経済の活力を取り戻すため国防費に目を向けて いる。新たな戦車やミサイル、軍服に関する支出は、財政赤字を膨らま せ医療などの行政サービスが圧迫されても、同大統領が軍備増強を進め ていることを裏付けている。数千人の陸軍徴集兵が民間会社に初めて異 動になるのもそうした取り組みを支えるためだ。

モスクワにある戦略技術分析センター(CAST)のルスラン・プ ホフ所長は「政府には喫緊の課題が2つある。社会のあらゆるレベルで の安全保障強化とマクロ経済不況を終わらせるイノベーション(技術革 新)推進だ。双方の問題に対する解決策が軍産複合体の発展強化だ」と 述べた。同所長は国防省に助言をしている。

プーチン大統領は1998年にデフォルト(債務不履行)に陥ったロシ アの立て直しを15年前から進める中で、ルーブル建てで軍事支出を20倍 以上に膨らませた。ストックホルム国際平和研究所によれば、ロシアの 軍事費はドル建てで昨年840億ドル(約10兆4400億円)を突破し、米国 と中国に次ぎ世界3位となっている。

原題:Putin’s Secret Budget Hides Shift Toward War Economy (1) (抜粋)

--取材協力:Ksenia Galouchko、Evgenia Pismennaya、Ilya Arkhipov、Ott Ummelas.

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