6月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが2週間ぶり高値、ECB総裁が景気回復に言及

3日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで2週間ぶり の高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ圏の景 気回復兆候に言及したため、ユーロ買いが入った。

ユーロは主要通貨の大半に対して上昇した。ドラギ総裁はインフレ 率が年内に上昇し始めるとの見通しを示した。債券購入プログラムにつ いては計画通りに完全実施する必要があると強調したものの、拡大の必 要性はないと話した。ドイツ10年債利回りは年初来の高水準に上昇、ユ ーロ建て資産の魅力を高めた。

エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のクリス・ ギャフニー社長は「利回り上昇でユーロを保有する魅力が高まってい る。欧州の量的緩和は機能しており、欧州は回復している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比1.1%高 い1ユーロ=1.1275ドル。一時は5月18日以来の高値を付けた。対円で は1.2%高の1ユーロ=140円07銭。一時は1月9日以来の高値に達し た。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=124円25銭。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で「景気回復はすそ野を広げ、 内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれ の予想通りに進展している」と述べた。

ECBは総額1兆1000億ユーロ(約154兆円)規模の資産を購入す る量的緩和(QE)プログラムを3月に開始。ユーロ圏のインフレ率は 底を打ち、ECBが目指す2%弱の水準には程遠いものの、5月に は0.3%上昇とプラスに転じた。

「なお脆弱」

フランクリン・ミューチュアル・シリーズの運用担当者、カトリー ナ・ダドリー氏は「欧州の景気回復はなお脆弱(ぜいじゃく)で、初期 段階にある。そのため、ECBからの支援が重要だと思う」と語った。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ユーロは過去1週間 で2.3%高と、先進10カ国の中で最高のパフォーマンスとなっている。 欧州の景気回復兆候を背景にユーロは4月に9カ月連続の下げから反発 したものの、下落基調が始まった2014年7月からはなお18%下げてい る。

ノルデア・マーケッツ(コペンハーゲン)の外国為替シニアストラ テジスト、アウレリヤ・アウグリト氏は、投資家は現時点でユーロを売 り持ちにする理由はないと考えていると指摘。ドラギ総裁の発言と欧州 の景気回復を示すデータは「今後数カ月、回復は続く」ことを示唆して いると述べた。

さらに、ユーロが1.1250ドルという目先の重要な節目に達したた め、数週間以内に1.1500ドルに上昇する可能性もあると話した。

マッコーリー・キャピタルUSAの通貨ストラテジスト、ティエリ ー・アルバート・ウィズマン氏は「ドラギ総裁が国債利回りの上昇に対 して幾らか驚きの表現を示すとの観測から、ECB会合前にユーロを売 り持ちにしていたトレーダーがいたが、実際には総裁はそうしなかっ た」と述べた。

原題:Euro Rises to 2-Week High as Draghi Points to Improving Economy(抜粋)

◎米国株:上昇、ギリシャ合意に期待-国債利回り上昇で銀行株が高い

3日の米国株は上昇。米国債利回りの上昇とともに銀行株や保険株 が上昇した。投資家の間ではギリシャが債権者と合意に達するとの見方 が広がっている。

銀行のシティグループは上昇。JPモルガン・チェースとウェル ズ・ファーゴも上げた。保険会社のメットライフも上昇した。一方、公 益事業株は下げた。半導体のインテルは3日続落した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の2114.07。ダウ工業株30種 平均は64.33ドル(0.4%)上げて18076.27ドル。ナスダック総合指数 は0.5%上昇した。

ボストン・プライベート・ウェルスの最高市場ストラテジスト、ロ バート・パブリク氏は「ギリシャ問題で何らかの手は打たれると市場参 加者はみている」と述べ、「待機中の間、投資家は株式に資金を戻す。 軌道はまだ上向きだ。米国株にはまだ上昇する余地がある」と続けた。

ベージュブック

米連邦準備制度理事会(FRB)が3日公表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)によれば、米国では4月初めから5月遅くにかけて 景気が拡大した。ただ一部地域で製造業がドル高の影響を受けたほか、 エネルギー関連投資も減速した。エコノミストの間では初回利上げは9 月になるとの見方が広がっている。

供給管理協会(ISM)が発表した5月の非製造業総合景況指数 は13カ月ぶりの低水準となった。給与明細書作成代行会社のADPリサ ーチ・ インスティテュートが3日発表した給与名簿に基づく集計調査 によると、5月の米民間部門の雇用者数は伸びが前月から拡大した。

5日に労働省から発表される5月の米雇用統計では22万7000人の雇 用増が予想されている。前月は22万3000人の増加だった。失業率は前月 と同じ5.4%が予想されている。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は4%低下して13.66だった。

S&P500種産業別10指数のうち7指数が上昇。通信サービス株や 金融株、選択的消費株が上げをけん引した。

スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドとウ ィン・リゾーツを中心に選択的消費株が上昇。アマゾン・ドット・コム やダラー・ゼネラルも上昇した。

一方、原油先物の値下がりを嫌気してエネルギー株は下落。チェサ ピーク・エナジーとダイアモンド・オフショア・ドリリングも安い。

原題:U.S. Stocks Rise Amid Greek Talks as Banks Gain With Bond Yields(抜粋)

◎米国債:続落、ECB総裁のボラティリティ発言で世界的な債券安

3日の米国債相場は続落。10年債利回りは昨年11月以来の高水準に 達した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言をきっかけに世界 的に債券が売りを浴び、ドイツ国債は2日間の下げがユーロ導入以降で 最悪となった。

ドラギ総裁は記者会見で、ボラティリティの高い局面に市場は順応 する必要があると発言。これを受けて、ドイツ10年債利回りは7カ月ぶ り高水準に達し、米国債も大きく値下がりした。債券売りが激しくなっ たため、ニューヨークでは予定していた会議を中止するトレーダーもい た。

キャンター・フィッツジェラルド(ダブリン)の債券ストラテジス ト、オーウェン・カラン氏は「ECBは最近のボラティリティをさほど 懸念してないようだ。ECBの対応がない中では、ボラティリティ継続 へのゴーサインだ」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.36%。一時2.39%と、昨年11月7日以来の高利回 りとなった。前日と合わせた2日間では18bpの上昇となった。

ドイツ国債の10年物利回りは17bp上昇して0.88%。一時は昨年10 月30日以来の高利回りとなる0.89%に達する場面もあった。

会議を中止

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・信用責任者、 トーマス・ディガロマ氏は、10年債利回りが鍵となる重要な水準を上回 ったことを受けて社内での会議を中止した。

ディガロマ氏は「欧州での動きを考えれば、米国債市場は完全なパ ニック売りといえる」と指摘。「ウォール街の投資家の大半は、新たに ポジションを積むことに慎重になっている」と述べた。

債券ディーラーに対する規制を背景にディーラーが米国債の保有を 縮小させていることも、債券売り加速の一因となっている。ディーラー の米国債保有高は5月20日時点で229億ドル。過去最高は2013年10月に 記録した1460億ドル。

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数は2日に87.48に上昇し、5月22日以来の 高水準となった。

欧州ではブルームバーグ・ユーロ圏ソブリン債指数が年初から2日 までで0.1%下げている。4月15日時点では4.6%上昇していた。

ドラギ総裁

ドラギ総裁はユーロ圏での債券売りの要因として、域内の景気・イ ンフレ見通しの改善や債券発行の増加、ボラティリティ、市場の流動性 不足などを示唆した。

総裁はフランクフルトでの記者会見で、「われわれはボラティリテ ィの高い時期に順応する必要がある」とし、「金利が極めて低い水準に ある状況では、資産価格のボラティリティは高まる傾向がある」と続け た。

ECBはこの日、3つの政策金利を全て据え置いた。

原題:Draghi Says Volatility Here to Stay as Global Bond Rout Deepens(抜粋)

◎NY金:反落、ETPでの保有が減少-株やドルの上昇で

3日のニューヨーク金先物相場は反落。金連動型上場取引型金融商 品(ETP)を通じた金保有は2009年以来の低水準となった。米国や中 国の株式相場上昇を背景に需要が抑制されたほか、米金利先高観による ドル上昇も響いた。

デンマークのダンスケ銀行のエコノミスト、イェンス・ペデルセン 氏は電話取材で「市場の全体的な方向性は、金などリスクヘッジ資産を 離れ、株など利回り資産にシフトしている」と指摘。「金ETPから資 金を引き揚げる動きも見られる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.8%安の1オンス=1184.90ドルで終了。

原題:Gold Tumbles Out of Favor as Equities, Dollar Spur Cuts to ETPs(抜粋)

◎NY原油:急反落、OPEC総会控えイランの増産意向を嫌気

3日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が急反落。イランが石油輸出国機構 (OPEC)に対し、制裁解除後には原油輸出を拡大する意向を伝えた ことが嫌気され、1週間ぶりの大幅下落となった。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は「OPECは生産過剰だ」と 指摘。「世界的な供給超過は変わらない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.62ドル(2.64%)安い1バレル=59.64ドルで終了。5月26日以来 で最大の値下がり。

原題:Crude Falls as OPEC Meeting Overshadows Inventory Drop in U.S.(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-ギリシャ株は上昇、債務協議の進展に注目

3日の欧州株式相場はほぼ変わらずとなった。ギリシャの債務協議 がまとまるかどうかが注目されている。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%安の395.93で終了。ギ リシャ合意に向けた信頼し得る見通しはまだないとの欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁の発言を受けて、同指数は一時0.9%高から反 落した。ただ、ギリシャのアテネ総合指数は約1カ月ぶりの大幅高とな る4.1%の値上がり。この上昇率は西欧市場の主要株価指数の中で最 高。

バークレイズのウェルスマネジメント部門で株式戦略責任者を務め るウィリアム・ホッブス氏は、「ギリシャ協議に関して市場はあまりに も楽観していた可能性はある」とした上で、「土壇場で合意に至るのは 可能だと当社はまだ考えている。恐らくは最後の救済といった格好にな り、いかなる妥協もギリシャ側が行わねばならない。ギリシャ政府の資 金が枯渇しつつあるので、協議の最終段階に近づいているのは間違いな い」と語った。

ギリシャのチプラス首相は同国が受け入れ可能な合意を目指し、債 権者らには現実的になるよう求めると語った。同首相は3日夜にユンケ ル欧州委員長とブリュッセルで会談に臨む。

個別銘柄では、オランダの小売りロイヤル・アホルドが5.9%、同 業でベルギーのデレーズ・グループが7.4%それぞれ上げた。スイスの 銀行、クレディ・スイス・グループは3.9%上昇。一方、ケーブルテレ ビ(CATV)企業などを傘下に置くアルティスは2.6%下げた。

原題:Europe Shares Little Changed as Investors Weigh Greek Prospects(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が続落-ドラギECB総裁がボラティリティ容認

3日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて下落。欧州中央 銀行(ECB)のドラギ総裁の発言をきっかけにソブリン債を売る動き が激しくなり、ドイツ国債はユーロ導入以降で最悪の続落となった。

ドラギ総裁は市場はボラティリティが高くなった局面に順応する必 要があると発言。これを受けて、ドイツ10年債利回りは7カ月ぶり高水 準に達したほか、スペイン国債は上げを消し、米国債も値下がりした。

ユーロ圏内の大半の国債も続落。2日は5月の域内インフレ率がエ コノミスト予想を上回るプラスとなったことを受けて下げていた。これ で、欧州債の年初来リターンは今年初めてマイナスとなった。

キャンター・フィッツジェラルド(ダブリン)の債券ストラテジス ト、オーウェン・カラン氏は「ECBは最近のボラティリティをさほど 懸念してないようだ。ECBの対応がない中では、ボラティリティ継続 へのゴーサインだ」と語った。

ロンドン時間午後4時18分現在、ドイツ10年債利回りは前日比15ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.86%。一時は0.89% と、昨年10月30日以来の高水準となった。ブルームバーグのデータによ れば、前日の17bp上昇と合わせた2日間の利回り上げ幅はユーロ導入 以降で最大。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価格はこの 日、1.36下げ96.64。

ブルームバーグ・ユーロ圏国債指数は、2日時点で年初来0.1%低 下となった。4月15日には4.6%上昇だった。

スペイン10年債利回りは2.06%。一時11bp下げた後、2.16%まで 上昇し、昨年11月以来の高水準となった。

原題:Draghi Says Volatility Here to Stay as Global Bond Rout Deepens(抜粋)

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