NY外為:ユーロが上昇、ECB総裁が景気回復に言及

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3日のニューヨーク外国為替市場ではユーロ が対ドルで2週間ぶりの高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のドラ ギ総裁がユーロ圏の景気回復兆候に言及したため、ユーロ買いが入っ た。

ユーロは主要通貨の大半に対して上昇した。ドラギ総裁はインフレ 率が年内に上昇し始めるとの見通しを示した。債券購入プログラムにつ いては計画通りに完全実施する必要があると強調したものの、拡大の必 要性はないと話した。ドイツ10年債利回りは年初来の高水準に上昇、ユ ーロ建て資産の魅力を高めた。

エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のクリス・ ギャフニー社長は「利回り上昇でユーロを保有する魅力が高まってい る。欧州の量的緩和は機能しており、欧州は回復している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比1.1%高 い1ユーロ=1.1275ドル。一時は5月18日以来の高値を付けた。対円で は1.2%高の1ユーロ=140円07銭。一時は1月9日以来の高値に達し た。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=124円25銭。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で「景気回復はすそ野を広げ、 内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれ の予想通りに進展している」と述べた。

ECBは総額1兆1000億ユーロ(約154兆円)規模の資産を購入す る量的緩和(QE)プログラムを3月に開始。ユーロ圏のインフレ率は 底を打ち、ECBが目指す2%弱の水準には程遠いものの、5月に は0.3%上昇とプラスに転じた。

「なお脆弱」

フランクリン・ミューチュアル・シリーズの運用担当者、カトリー ナ・ダドリー氏は「欧州の景気回復はなお脆弱(ぜいじゃく)で、初期 段階にある。そのため、ECBからの支援が重要だと思う」と語った。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ユーロは過去1週間 で2.3%高と、先進10カ国の中で最高のパフォーマンスとなっている。 欧州の景気回復兆候を背景にユーロは4月に9カ月連続の下げから反発 したものの、下落基調が始まった2014年7月からはなお18%下げてい る。

ノルデア・マーケッツ(コペンハーゲン)の外国為替シニアストラ テジスト、アウレリヤ・アウグリト氏は、投資家は現時点でユーロを売 り持ちにする理由はないと考えていると指摘。ドラギ総裁の発言と欧州 の景気回復を示すデータは「今後数カ月、回復は続く」ことを示唆して いると述べた。

さらに、ユーロが1.1250ドルという目先の重要な節目に達したた め、数週間以内に1.1500ドルに上昇する可能性もあると話した。

マッコーリー・キャピタルUSAの通貨ストラテジスト、ティエリ ー・アルバート・ウィズマン氏は「ドラギ総裁が国債利回りの上昇に対 して幾らか驚きの表現を示すとの観測から、ECB会合前にユーロを売 り持ちにしていたトレーダーがいたが、実際には総裁はそうしなかっ た」と述べた。

原題:Euro Rises to 2-Week High as Draghi Points to Improving Economy(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate、Lucy Meakin、Lukanyo Mnyanda、Rachel Evans、Andrea Wong.

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