ドラギ総裁:景気は予測通りに回復中-QEの有効性を証明

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欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は3 日、ECBの政策による景気刺激効果は実体経済に浸透しつつあると し、債券購入プログラムは計画通りに完全実施する必要があると強調し た。

総裁は政策決定後の記者会見で「資産購入プログラムは順調に進ん でいる」と述べた。ECBは3つの政策金利を全て据え置いた。総裁は ECBの最新経済予測を公表、3月時点の予測とほぼ同様に、成長とイ ンフレが向こう3年に加速するとの見通しを示した。予測通りの「目標 の達成は金融政策の完全実施が前提条件だ」と言明した。

ECBは総額1兆1000億ユーロ(約154兆円)規模の資産を購入す る量的緩和(QE)プログラムを3月に開始。ユーロ圏のインフレ率は 底を打ち、ECBが目指す2%弱の水準には程遠いものの5月にはプラ スに転じた。ギリシャの救済交渉の行き詰まりで同国のデフォルト(債 務不履行)が懸念されているにもかかわらず、ユーロ圏経済は改善しつ つある。

ドラギ総裁はギリシャについて、「成長を生み出すような強い合意 があるべきだ」と述べた。交渉の現状についてはコメントを避けた。

総裁は景気について「景気回復はすそ野を広げ、内需は金融政策措 置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展 している」と述べた。

ドイツの10年債利回りは総裁の会見中に年初来の高水準を付けた。 債券相場はここ最近、世界的に値下がりしたが、総裁は市場はボラティ リティの高い時期に順応する必要があると述べた。

サル・オッペンハイム(ケルン)のチーフエコノミスト、マーティ ン・モリソン氏は「ECBは自分たちとその決定について満足している ようだ」と述べた。

総裁は最新の経済予測について、見通しは基本的に3月時点から変 わっていないと述べた。ただ、今年のインフレ率予想は0.3%と従来予 想のゼロから引き上げられた。2017年に1.8%に達するとの予想は変わ らず。成長率は15年が1.5%、16年が1.9%、17年は2%とみている。

このシナリオへのリスクは世界の成長減速だともドラギ総裁は話 し、この日発表の予測よりも強い数字を想定していたが「主としてユー ロ圏外での景気減速によって、幾分勢いが失われた」と説明した。

ユーロ圏の景気回復はまだ途上であり道は遠いとする総裁は、現行 の政策プログラムからの出口戦略についての議論はまだないと述べた。

ナティクシスのエコノミスト、ヨハネス・ガレイス氏(フランクフ ルト在勤)は「ECBからのメッセージの中核は、計画通りに政策を続 行し、成長とインフレが加速してもQEを完全実施するというものだ」 とコメントした。

原題:Draghi Says QE Proving Its Worth as Economy Exactly on Track (2)(抜粋)

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