米企業の自社株買いブームで「二日酔い」警告-ブラックロック

米企業は自社の事業に投資するよりも、株主 への還元に一層多くの資金を費やしており、信用の質悪化につながりか ねない「経済的ゆがみ」が生じている。米ブラックロックでファンダメ ンタル債券担当の最高投資責任者(CIO)を務めるリック・リーダー 氏がこのように指摘した。

リーダー氏はブログで、米企業が過去最低水準近くにある金利環境 の下、自社株買いや配当支払いのための資金借り入れに乗り出している とし、こうした戦略は株主を富ませる一方で、社債保有者にはマイナス となる可能性があると説明した。債務増大に伴い、米金融当局が利上げ に踏み切れば信用格付けがリスクにさらされるという。

同氏はまた、特に株主が現金の還元を強く求める中で、企業の首脳 らは利益をもたらさないかもしれない設備投資を避けるようになってお り、現在のような資本の使い方によって企業の中核事業への長期的な投 資が減らされたり、信用の質を脅かし始めたりすれば、「懸念すべき事 態になり得る」と記した。

ゴールドマン・サックス・グループの集計データによれば、S& P500種株価指数構成企業は昨年、自社株買いと配当支払いに計8900億 ドル(約110兆円)を費やした一方、設備投資への支出は7020億ドルに とどまった。ブルームバーグがまとめたデータでは、昨年の社債発行に よる資金調達は過去最大の1兆7000億ドルに上った。

ブラックロックのフィンク最高経営責任者(CEO)は、S& P500種構成企業のCEOに宛てた4月の書簡で、自社株買いといった 直近の利益を求める株主からの圧力に屈することなく、企業の長期的な 成長に重点的に取り組むよう呼び掛けており、今回のリーダー氏のブロ グもそれに同調した形だ。

原題:Hangover Comes After U.S. Buyback Binge, BlackRock’s Rieder Says(抜粋)

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