インドの有資格パイロット、飛行時間35分-求人増で質に懸念

アヌパム・ベルマさんは航空機を360時間操 縦したことを示す証明書を持っている。ベルマさんはそれを、副操縦士 席にわずか35分間座って手に入れたと語る。

裁判所文書とパイロットや規制当局、業界アナリストとのインタビ ューに基づけば、インドにはベルマさんのように飛行時間と訓練につい て水増しされた証明書を入手したパイロットが数十人いるという。貧し い農家の息子であるベルマさんは、商用ジェット機の運航を学ぶためイ ンド政府から補助金280万ルピー(約550万円)の支給を受けた。

「飛行中に緊急事態に遭遇したらどうなるのだろう。乗客が死んで しまうだけでなく村に墜落すれば犠牲者はさらに増えるかもしれな い」。ベルマさん(25)はインタビューでそう語る。

故意の行為か訓練不足の結果と考えられる航空機事故が相次いだこ とを受け、航空の安全性についてはここ数年、航空機の信頼性によるも のかパイロットの信頼性によるものか見方が分かれてきた。今年3月に はドイツの格安航空ジャーマンウイングスのアンドレアス・ルビッツ副 操縦士が機長を操縦室から締め出し、機体を山に墜落させたとみられて いる。

インドでは格安航空会社の就航増加でパイロットが新たに数百人必 要となったことから、パイロットの質についての懸念がここ10年間、高 まっている。警察当局が、昇進または証明書取得のため偽造文書を利用 した疑いで少なくとも18人を捜査する中、インド政府は2011年に国内の パイロット4000人余り全員の航空機免許を調査した。政府の調査結果は 公表されていない。

元商用機パイロットでチェンナイを拠点とする航空安全コンサルタ ント、モハン・ランガナサン氏によれば、11年の調査では国内の大半の 飛行クラブで違反が見つかった。インド民間航空局のM・サティヤバテ ィー局長は今年4月24日、偽の証明書が引き続き利用されている現状に ついての質問に対し、同局が新たに監査を実施し「全ての航空学校につ いて再認証」を義務付ける可能性があると述べた。

原題:Pilots Qualified to Fly in India After Just 35 Minutes in Air(抜粋)

--取材協力:Jason Gale.

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