みずほにとっては「宝の山」の米債券市場、北米勢には逆風も

世界中で債券利回りが下がり続ける中で、日 本の銀行には米国が宝の山のように見えてきた。

例えばみずほフィナンシャルグループは、米国のクレジット事業を 急速に拡大させている。米国みずほ証券の債券責任者、ジェリー・リッ ツィエーリ氏によれば、同社は4月以降に社債オリジネーションチーム を約2倍に拡大した。融資担保証券(CLO)グループも過去1年に増 員したという。

理由は簡単だ。当局の利上げ前に低金利で借りてしまおうと企業が 債券発行を急いでいる米国では、数十億ドルの収益機会がある。起債ラ ッシュは通常トレーディングも活気づかせる。国債利回りがマイナスに なっている日本より米国の方が魅力がある。

「米市場は何年にもわたりオリジネーションの中心だった。まだ相 当の収益拡大余地がある」とリッツィエーリ氏は述べた。

みずほは今年、360億ドル(約4兆4700億円)余りの北米ローン資 産を英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) から買い取った。リッツィエーリ氏によれば、この取引に伴い40人ほど の人員もRBSから受け入れた。

社債引き受けランキング

もちろん、米銀行業界では全てがバラ色というわけではない。他の 銀行から出てくる暗いニュースを聞けば逃げ出したくなるかもしれな い。

カナディアン・インペリア ル・バンク・オブ・コマース( CIBC)は米国のクレジット事業から撤退すると事情に詳しい関係者 が先月明らかにした。また、別の関係者が先週述べたところによれば、 米JPモルガン・チェースは向こう1年で数千人を削減する計画だ。バ ンク・オブ・アメリカ(BOA)のブライアン・モイニハン最高経営責 任者(CEO)は5月27日に、市場部門でコストを削減する方針を示し た。

それでも、最高格付けの債券の利回りが日本よりも2.9ポイントも 高い米国は、日本の銀行には良いところに見える。

ブルームバーグのデータによれば、米国では今年、投資適格級の社 債6705億ドル相当が起債され、引き受け金融機関の手数料は33億ドルと 概算される。みずほと三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友 フィナンシャルグループはいずれもここ数年で社債引き受けのシェアを 伸ばしてきた。

ブルームバーグのデータによれば、みずほは今年米国での社債引き 受けで12位と昨年の15位から順位を上げている。ランキングには自社の 案件は含まない。三菱は昨年から1位順位を上げ13位。三井住友は20位 と14年の23位から上昇した。

日本の銀行は他の銀行が撤退する中でも、米債券市場で引き受けと トレーディングの両方で利益を拡大させる余地が大きいと考えている。

原題:One Bank’s Trash Becomes Mizuho’s Treasure in U.S. Debt Markets(抜粋)

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