6月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドルで大幅高、ギリシャ協議の合意を楽観

2日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで10週間ぶり の大幅高。ギリシャが債権団との合意に近づいているとの楽観が広が り、デフォルト(債務不履行)懸念が和らいだ。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長のデイセルブルム・オ ランダ財務相がギリシャとの合意は程遠いと発言したものの、債権団が こう着状態を打破する計画を取りまとめていると伝わり、ユーロは上げ 幅を拡大した。ユーロ圏のインフレ率が5月に昨年11月以来で初めてプ ラス圏に転じたこともユーロ買いを誘った。欧州中央銀行(ECB)は 3日に政策決定会合を開く。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「インフレは正しい方 向に向かっており、ギリシャは救済獲得に近づいているようだ」と指 摘。「どちらかと言えば安ど感からの上昇だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比2.1%高 い1ユーロ=1.1151ドル。一時は1.1192ドルまで上昇し、3月18日以来 の大幅高となった。対円では1.5%高の1ユーロ=138円40銭。ドルは対 円で0.5%安の1ドル=124円11銭。一時は2002年12月以来の高水準とな る125円05銭を付けた。

サクソバンクの通貨戦略責任者のジョン・ハーディー氏(コペンハ ーゲン在勤)が電子メールで指摘したところによると、薄商いの中、ユ ーロは対ドルで主要な水準である1.10ドルを上抜くと買い注文を巻き込 んで上げ幅を拡大した。

対ギリシャ案

メルケル独首相とラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、ドラ ギECB総裁、フランスのオランド大統領、欧州連合(EU)欧州委員 会のユンケル委員長は2日未明までベルリンで会合を持ち、ギリシャに 示す案について意見を調整した。この計画に詳しい関係者2人による と、ギリシャに示す案を数日以内にまとめることを目標にしている。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(カルガリー在勤)のシニ ア・マーケット・アナリスト、スコット・スミス氏は「ギリシャ問題で 合意に達する可能性があることと、消費者物価の上昇」がユーロを押し 上げたと述べた。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が2日発表した5月の ユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比0.3%上昇と、 伸び率はブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の0.2%を上回っ た。ドイツでは5月も失業者数が前月を下回り、 これで8カ月連続の 減少となった。

欧州債

オーストリアやポルトガルの国債が下げ、ドイツ10年債利回りは一 時17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し0.71%を付け た。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ユーロは過去1週間 で2.1%上昇し、先進10カ国通貨の中で最高のパフォーマンスとなっ た。

ECBは1兆1000億ユーロ(約148兆円)相当の債券を購入する計 画だが、クーレ理事は購入ペースを5、6月に加速させる意向だと述べ ていた。

ECBの直近の予想によると、今年のインフレ率は平均でゼ ロ、2017年までに1.8%に加速する。

原題:Euro Strengthens Most in 10 Weeks Amid Optimism on Greece Talks(抜粋)

◎米国株:下落、経済データやギリシャ情勢に注目-週後半に雇用統計

2日の米国株は下落。投資家は経済データやギリシャ債務交渉の進 展に注目した。

デルタ航空は2.6%安。第2四半期の業績見通しの引き下げが嫌気 された。半導体銘柄も下落。インテルは1.9%下落した。一方、エネル ギー株は上昇。この日は原油先物も上昇した。上場産銅会社で世界最大 手のフリーポート・マクモランやアルミ生産のアルコアは上昇。ドルが 下落し、素材株が買われた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の2109.60。ダウ工業株30種 平均は28.43ドル(0.2%)下げて18011.94ドル。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「市 場の注目先は5日に発表される雇用統計だ。今は方向感が定まらない。 ギリシャ情勢が悪化した場合、米国株に大きな下落余地が生じる可能性 がある」と述べた。

ギリシャ情勢

ギリシャは5日の国際通貨基金(IMF)への返済は可能だとして いるものの、同日の支払額は月内に4回やってくる計約16億ユーロの返 済の中で最少。

ギリシャのチプラス首相は2日、状況打開に向けた新提案を債権者 側に提出したと明らかにした。

5日に発表される5月の米雇用統計では22万7000人の雇用増が予想 されている。前月は22万3000人の増加だった。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1.9%上昇して14.24。5月のVIXは4.9%低下。2カ月 連続で低下した。

S&P500種産業別10指数のうち5指数が上昇した。素材株やエネ ルギー株は上昇。公益事業株やヘルスケア関連株の下げがきつかった。

ヘルスケア関連銘柄ではバーテックス・ファーマシューティカルズ やバイオジェン、イーライ・リリーが下落した。保険会社のエトナやシ グナも安い。

公益事業株は1.4%下落。エクセル・エナジーやCMSエナジーは いずれも売られた。

S&P500種に採用されている半導体株は続落した。マイクロチッ プ・テクノロジーが安い。

一方、フリーポートは5.7%上昇。アルコアは1.6%値上がりした。

航空機メーカーのボーイングは1.4%高。建機大手キャタピラーも 高い。

原題:U.S. Stocks Decline as Investors Assess Data Amid Greek Talks(抜粋)

◎米国債:2週間で最大の下げ-欧州債の下落や米利上げ観測で

2日の米国債相場は2週間で最大の下げ。欧州債の売り加速に反応 したほか、前日の米経済指標で力強い内容が示され、年内の利上げ観測 が強まった。

この日はドイツ債の利回りも上昇。欧州各国がギリシャのデフォル ト(債務不履行)回避に向けて取り組む中、逃避需要が後退した。1日 の経済指標では製造業活動の改善などが示され、5日発表される5月の 雇用統計を前に経済成長への期待が強まった。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「欧州で債券が大きく売られてお り、それが米国債にも一部影響している」と分析。「欧州と米国でデー タの改善が見られる。データ次第の状況で、全ての会合で利上げの可能 性がある。こうした状況全てが債券に圧力をかけつつある」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時15分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し2.26%。同年債(表面利率2.125%、2025年5 月償還)価格は23/32下げて98 25/32。

ドイツ10年債利回りは17bp上昇の0.71%。スペインやイタリア の10年債利回りも大きく上げた。5月のユーロ圏インフレ率が6カ月ぶ りにプラス圏に転じたことが背景にある。

経済データ

今週は米金融当局が初回利上げの時期を決めるに当たり考慮する経 済指標が複数発表される。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「ここ1、2週間は今年に入り初めて明るいデータ の兆候が示されている」とし、「足かせとなっていた要因の多くが消え つつある」と続けた。

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によれば、5日発表さ れる5月の雇用統計では、2カ月連続での雇用者数の伸びが見込まれて いる。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「小さな材料全てが相まって、相場に大きな 圧力をかけている」と指摘。「成長に関しては、状況は考えられている ほど悪くはない。インフレは、生産者物価指数や消費者物価指数で示さ れているよりも目標に近い可能性がある」と述べた。

ギリシャ情勢

ギリシャのチプラス首相は2日、救済交渉の行き詰まりを打開する ための新提案を債権者側に提出したと明らかにした。欧州の指導者らは ギリシャへの融資を実行しデフォルト(債務不履行)を回避するため、 1日夜ベルリンでトップレベルの会合を持った。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・信用責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「まだ予断を許さない状況だが、ギリシャは 合意にこぎつけそうだ」と分析。「これは質への逃避に伴う債券買いの 完全な巻き戻しだ。それが米国債にも圧力となっている」と述べた。

原題:Treasuries Fall by Most in Two Weeks as European Bonds Sell Off(抜粋)

◎NY金:小反発-ETPでの保有4カ月ぶり低水準、利上げ見通しで

2日のニューヨーク金先物相場は小反発。一方で米利上げが近づい ているとの観測から、金連動型上場取引型金融商品(ETP)を通じた 金保有は4カ月ぶりの低水準となった。

マッコーリー・グループのアナリスト、マシュー・ターナー氏(ロ ンドン在勤)は電話取材で「米金融当局のバイアスは引き締め方向で、 よほどのことでも起きない限りそのコースは変わらない」と指摘。「こ れが緩やかで着実なETP保有の減少、合わせて価格の下落につながっ た」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.5%高の1オンス=1194.40ドルで終了。

銀とプラチナ相場も上昇。パラジウムは下落した。

原題:Investors Cut Gold-Fund Holdings to Four-Month Low on Fed Bets(抜粋)

◎NY原油:6カ月ぶり高値、米在庫が連続減少との観測で

2日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が反発。米国の在庫が昨年8月以来で最長の 連続減少となったとの観測が広がり、6カ月ぶり高値に上昇した。ドル の下落も原油の買いを促した。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)の市場担当チーフストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は「在庫 は毎週かなりの規模で取り崩されており、この傾向は続く」と予想。 「原油価格は上昇している。ドル安がその一因でもある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.06ドル(1.76%)高い1バレル=61.26ドルで終了した。終値ベー スで昨年12月9日以来の高値。

原題:Crude Jumps to Six-Month High as U.S. Inventories Seen Falling(抜粋)

◎欧州株:約2週ぶり安値、輸出銘柄安い-ギリシャ債務めぐる動きで

2日の欧州株式相場は下落。ここ4日で3回目の下げとなった。時 間と資金がなくなるまでにギリシャが債権者側と合意にこぎ着けるかど うかが注目されている。

指標のストックス欧州600指数は前日比1%安の396.45で終了。一 時は1.3%安となった。ギリシャのアテネ総合指数は2.5%下げ、約1カ 月ぶりの安値を付けた。

ギリシャのチプラス首相はこの日、救済交渉の行き詰まりを打開す るための新提案を債権者側に提出したと明らかにした。債権者側が詰め を急いでいる案に先駆けて自国案を提示した。欧州首脳と国際通貨基金 (IMF)専務理事は昨夜ベルリンで、ギリシャへの融資を実行しデフ ォルト(債務不履行)を回避するためトップレベルの会合を持った。ギ リシャは6月中にIMFへの計4回の返済を控えており、同国向け救済 パッケージは6月末で失効する。

セブン・インベストメント・マネジメントで約120億ドル相当の資 産運用に携わるベン・クマール氏は、「多くの交渉が行われているのは 明らかだ」と発言。「企業業績とともに、中央銀行の措置は既に織り込 まれていることから、ギリシャが注目材料となっている。日々深刻さが 増していることが指摘されているが、やがて飽きられるだろう。数カ月 にわたり聞かされているためだ」と語った。

ユーロ上昇が輸出銘柄への重しとなり、自動車銘柄指数は1.4%下 落。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)とダイムラーが売られた。同 国の指標であるDAX指数は0.9%安となった。

原題:European Stocks Fall to Two-Week Low Amid Greece Debt Standoff(抜粋)

◎欧州債:総じて下落、インフレ率6カ月ぶりプラス-ギリシャ債上昇

2日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債がギリシャ債を除いて下 落し、指標とされるドイツ10年債の利回りは約3年ぶりの大幅上昇とな った。5月のユーロ圏インフレ率がエコノミスト予想以上に加速し、6 カ月ぶりにプラス圏に転じたことが背景にある。

スペインとイタリアの10年債利回りも大きく上げた。5月のユーロ 圏インフレ率は0.3%となり、欧州中央銀行(ECB)のデフレ懸念は 和らぎそうだ。この懸念などから、同中銀は総額1兆1000億ユーロの量 的緩和(QE)実行に今年踏み切っている。

DZバンクの債券アナリスト、フェリックス・ヘルマン氏(ロンド ン在勤)は「ユーロ圏に物価上昇圧力が予想以上に早く戻るとの観測が 強まっている」と指摘。このため、ECBが終了予定の2016年9月を待 たずにQEを縮小するとの「観測が高まり、ドイツだけでなく欧州全体 で国債が大きく売られる状況につながった」と語った。

ロンドン時間午後4時40分現在、ドイツ10年債利回りは前日比16ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.7%。これは2012年 8月以来の大幅な上げ。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価 格は1.460下げ98.15。

域内で最も安全とされるドイツ債がこの日値下がりした背景には、 ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避を目指し同国と債権者側が合 意に近づいている兆候が見られたこともある。

ギリシャ2年債は上昇し、利回りは145bp低下し23.45%となっ た。

スペインの銀行団を通じた国債発行も相場への重しとなった。同国 債の10年物利回りは11bp上昇し2.08%と、昨年11月以来の高水準を付 けた。イタリア10年債利回りは一時2.11%まで上げ、これも昨年11月以 降では最高。

原題:Euro Bond Rout Revived by Faster Inflation Amid Spanish Supply(抜粋)

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