米国債:2週間で最大の下げ-欧州債の下落や米利上げ観測で

更新日時

2日の米国債相場は2週間で最大の下げ。欧 州債の売り加速に反応したほか、前日の米経済指標で力強い内容が示さ れ、年内の利上げ観測が強まった。

この日はドイツ債の利回りも上昇。欧州各国がギリシャのデフォル ト(債務不履行)回避に向けて取り組む中、逃避需要が後退した。1日 の経済指標では製造業活動の改善などが示され、5日発表される5月の 雇用統計を前に経済成長への期待が強まった。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「欧州で債券が大きく売られてお り、それが米国債にも一部影響している」と分析。「欧州と米国でデー タの改善が見られる。データ次第の状況で、全ての会合で利上げの可能 性がある。こうした状況全てが債券に圧力をかけつつある」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時15分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し2.26%。同年債(表面利率2.125%、2025年5 月償還)価格は23/32下げて98 25/32。

ドイツ10年債利回りは17bp上昇の0.71%。スペインやイタリア の10年債利回りも大きく上げた。5月のユーロ圏インフレ率が6カ月ぶ りにプラス圏に転じたことが背景にある。

経済データ

今週は米金融当局が初回利上げの時期を決めるに当たり考慮する経 済指標が複数発表される。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「ここ1、2週間は今年に入り初めて明るいデータ の兆候が示されている」とし、「足かせとなっていた要因の多くが消え つつある」と続けた。

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によれば、5日発表さ れる5月の雇用統計では、2カ月連続での雇用者数の伸びが見込まれて いる。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「小さな材料全てが相まって、相場に大きな 圧力をかけている」と指摘。「成長に関しては、状況は考えられている ほど悪くはない。インフレは、生産者物価指数や消費者物価指数で示さ れているよりも目標に近い可能性がある」と述べた。

ギリシャ情勢

ギリシャのチプラス首相は2日、救済交渉の行き詰まりを打開する ための新提案を債権者側に提出したと明らかにした。欧州の指導者らは ギリシャへの融資を実行しデフォルト(債務不履行)を回避するため、 1日夜ベルリンでトップレベルの会合を持った。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・信用責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「まだ予断を許さない状況だが、ギリシャは 合意にこぎつけそうだ」と分析。「これは質への逃避に伴う債券買いの 完全な巻き戻しだ。それが米国債にも圧力となっている」と述べた。

原題:Treasuries Fall by Most in Two Weeks as European Bonds Sell Off(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE