誰が全額失うのか-工商銀や政策銀など漢能の貸し手さまざま

中国の富豪、李河君氏が率いるソーラーパネ ルメーカー、漢能薄膜発電集団の株価急落をめぐる謎の1つは、同氏に 資金を提供している多くの債権者のうち誰が漢能薄膜に投じた全額を失 うリスクがあるのかということだ。

国有の中国工商銀行など数多くの中国の銀行が漢能薄膜とその親会 社に投融資している。5月20日の香港株式市場で、漢能薄膜の時価総額 は30分足らずの間に47%消失。香港証券先物委員会(SFC)がこれに ついて調査を進めている。

債権者側は神経をとがらせている。事情に詳しい関係者によれ ば、11行から成る銀行団が8200万ドル(約102億円)に上る融資につい て話し合い、懸念を表明する場として会合開催を求めている。

CLSAアジアパシフィック・マーケッツ(里昂証券)の楊立志ア ナリストは、「漢能について興味深いのは、多くのことが起きている親 会社について投資家が何も知らないことだ」と述べ、「親会社の財務や 業績の不透明性ははなはだしい」と指摘した。

漢能薄膜と非上場の親会社、漢能控股集団が保有する債務に対する ブルームバーグの検証で、漢能薄膜株の急上昇が昨年始まって以降、李 氏がざまざまな資金調達先を活用していることが判明している。政策銀 行からの融資もあれば、金利10%超のオンライン金融からの短期融資、 それに地方政府との提携もある。

ブルームバーグの取材に対し、漢能の債権者は融資についてのコメ ントを控えるか回答を避けている。債権企業の1社、オンライン小口融 資を手掛ける愛投資は5月21日、漢能薄膜の株価急落は漢能グループの 融資返済能力に影響を与えていないとするコメントをウェブサイトに掲 載した。

ほんの一角

漢能の広報担当者は同社の債務についての質問への回答を控えた。 だが李氏は中国国営の新華社通信が5月28日に配信したインタビュー で、「漢能は設立以後で最良の状態だ」と述べている。

11行の銀行団による融資の一部は、工商銀の香港部門、中国工商銀 行(亜洲)からだが、これは工商銀の関与のほんの一角だ。工商銀は漢 能の複数の部門に少なくとも4億元(約80億円)を融資している。同行 がこの情報を公開していないとして関係者が匿名を条件に述べた。

中国輸出入銀行はこの11行の融資にスタンドバイ信用状を発行。新 華社によると、中国の国家開発銀行は2011年、漢能に300億元の信用枠 を供与している。

原題:Troubled Hanergy’s Debt Web Snags State Banks to Shadow Lenders(抜粋)

--取材協力:Haixing Jin、Lisa Pham、Sarah Chen、Steven Yang、Jun Luo.

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