日本株は13日ぶり反落、連騰反動で銀行など金融中心売られる

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2日の東京株式相場は13営業日ぶりに反落。 ギリシャによる国際通貨基金(IMF)への返済期限など重要日程を控 える中、連騰の反動を警戒する売りに押された。銀行や保険など金融 株、ゴム製品や空運株など直近の上昇が目立った業種群が安い。

半面、国内景気や株主重視経営への期待感は根強く、株価指数の下 げは限定的。医薬品や情報・通信、電気・ガス、小売といった内需関連 株は堅調だった。

TOPIXの終値は前日比4.35ポイント(0.3%)安の1674.21、日 経平均株価は26円68銭(0.1%)安の2万543円19銭。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最 高投資責任者は、「米景気の回復方向やコーポレート・ガバナンス改善 などから日本株は上昇基調が続くだろう。ただ、連騰で短期的には一直 線に上がっていく感じではない」と話した。一時1ドル=125円を付け た為替については、「購買力平価では円はアンダーバリューのレンジの 下限にあり、ここからの円安は本来の価値から乖離(かいり)していく ところにきた」とみている。

きょうの日本株は、米経済統計の改善や為替のドル高・円安基調を 受けて続伸して始まり、午前の取引までは堅調だった。1日に公表され た5月の米供給管理協会(ISM)の製造業総合景況指数は、52.8と前 月の51.5から上昇し、3カ月ぶりの高水準。年内の利上げ観測を背景と したドル買いから、2日のドル・円相場は一時1ドル=125円5銭 と2002年12月以来のドル高・円安水準を付けた。

ただ、13連騰していた場合はTOPIXで09年8月、日経平均 で1988年2月以来の歴史的な状況だった上、相場の買われ過ぎ・売られ 過ぎを判断するテクニカル指標の1つである相対力指数(RSI)は、 1日にTOPIXで74%と買われ過ぎの70%以上となっていた。ドル・ 円が125円台を付けた後に円安の勢いが一服すると、株式市場でも先物 に売りが増え、午後の取引は両指数ともマイナス圏で推移した。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「連騰が途切れることによる反 動が警戒され、株価が下がらないと買いにくい状況」と指摘。また、ギ リシャ債務問題で、「交渉に進展がないことも上値を抑える要因」と言 う。欧州首脳とIMF専務理事はベルリンで2日未明まで会談し、ギリ シャ支援協議を一段と推し進めることで一致した。ギリシャは5日に今 月最初のIMF返済期日を迎える。

実質賃金が2年ぶりプラス

13日ぶりに反落したものの、株価指数の下げは小幅。「連騰でも上 げ幅は大きくない。一見過熱感があるように見えるが、バリュエーショ ン的には過熱感がある感じではない」と、アリアンツ・グローバルの寺 尾氏はみている。

厚生労働省が2日午前に発表した毎月勤労統計調査によると、4月 の実質賃金は前年同月比0.1%増だった。物価の影響を加味した実質賃 金がプラスとなったのは2年ぶり。現金給与総額(従業員5人以上の事 業所)は0.9%増の27万4577円となった。野村証券投資情報部の小高貴 久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「マクロでみて川上に ある賃金の上昇で、川下の小売りや消費の高まりも期待でき、国内景気 にとってはプラスの内容」と話していた。

東証1部の業種別33指数は空運やゴム、銀行、証券・商品先物取 引、鉱業、海運、保険、その他金融など21業種は下落。空運やゴム、銀 行、保険、その他金融は前日までの12連騰中の上昇率上位業種だった。 半面、電気・ガスや医薬品、繊維、非鉄金属、通信、小売など12業種は 上昇。東証1部の売買高は27億7265万株、売買代金は2兆8176億円。上 昇銘柄数は790、下落は968。

売買代金上位では、みずほフィナンシャルグループなどメガバンク 3社が下落。JPモルガン証券が投資判断を下げたブリヂストン、カナ ダ子会社に約2000億円の支払い命じる判決が下されたJTも安い。半 面、一部アナリストの投資判断引き上げなどが支援材料となったNTT ドコモのほか、富士重工業、ユニ・チャーム、中部電力は高い。

--取材協力:佐野七緒.

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