6月1日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが124円台後半、12年ぶり高水準-日米政策かい離で

1日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で上昇、12年ぶり 高値を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)による年内利上げへ の観測が広がった一方、日本と欧州の当局者は金融緩和継続の姿勢を固 めている。

ドルは対ユーロで4営業日ぶりに上昇。5月の米製造業景況指数は 市場の予想を上回った。量的緩和(QE)プログラムでの債券購入を加 速させる計画の欧州中央銀行(ECB)は3日に政策会合を開催する。 ギリシャ債権団がベルリンで協議すると伝わると、ユーロは下げ渋る場 面もあった。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「ドルに対する強気 の見方が広がっている」と指摘。ユーロ圏との比較で「成長格差や政策 の違いがあり、引き続きドルの支援材料になっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前週末比0.5%高の 1ドル=124円77銭。一時は2002年以来の高水準となった。対ユーロで は0.5%高い1ユーロ=1.0927ドル。

FOMCは政策金利を2008年12月以来、事実上のゼロで据え置いて いるが、年内に引き上げる構えだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の フィッシャー副議長は1日、金利がじりじりと上昇するとの見通しを示 した。

日欧の政策

一方、ECBのドラギ総裁は今週、夏季休暇シーズンで市場が閑散 となる前に購入を増やす計画について説明する可能性がある。ECBは 少なくとも2016年9月まで債券購入を継続する意向を示している。日銀 はマネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市 場調節を行う方針を維持している。

アマハースト・ピアポント・セキュリティーズの為替ストラテジス ト、ロバート・シンチ氏(ニューヨーク在勤)は「年内のいずれかの時 点でFOMCが利上げに動くとの観測が根強く、ドルにプラス材料とな っている」と語った。

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況指数 は52.8と、前月の51.5から上昇し、3カ月ぶりの高水準となった。ブル ームバーグがまとめたエコノミ スト予想中央値は52だった。

モントリオール銀行の外為戦略グローバル責任者、グレッグ・アン ダーソン氏(ニューヨーク在勤)は政策のかい離について「市場がドル に強気になっている大きな理由で、実際に利上げがあるまでドルの強さ は続くとみている」と話した。

ギリシャ

ギリシャが国際通貨基金(IMF)への返済を控え、債権団と合意 に至っていないことがユーロの悪材料になっている。ドイツのメルケル 首相とフランスのオランド大統領、欧州委員会のユンケル委員長らによ るトップ会談が1日夕刻、ベルリンで行われた。事情に詳しい関係者が 明らかにした。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ドルは過去12か月間で19% 高と、先進10カ国の中で最高のパフォーマンス。一方、ユーロは6.4% 下落、円は4.2%安となっている。

原題:Dollar Reaches 12-Year High Versus Yen as Central Banks Diverge(抜粋)

◎米国株:上昇、製造業統計を好感-工業株やヘルスケア株高い

1日の米国株は上昇。個人消費支出が横ばいにとどまったものの、 予想を上回った製造業統計が好感された。

製薬会社ブリストル・マイヤーズ・スクイブは2.9%上昇。ヘルス ケア関連株の上げをけん引した。航空株を中心に輸送銘柄も高い。半導 体メーカーのアルテラは同業インテルによる167億ドルでの買収が好感 され、買いを集めた。

S&P500種株価指数は前営業日比0.2%高の2111.73。ダウ工業 株30種平均は29.69ドル(0.2%)上げて18040.37ドル。

ソラリス・アセット・マネジメントのティモシー・グリスキー最高 投資責任者(CIO)は「経済データがネガティブでなく、それほどポ ジティブでもなければ、それこそ市場参加者が求めているものだ」と述 べた。「この日の材料から金融当局が利上げをそれほど急いでいないこ とに確信が持てる。それが株価にとっても支援材料だ。企業買収も大き な支援材料となっている」と続けた。

ISM製造業指数

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景況指数は市場 の予想を上回った。受注が5カ月ぶりの速いペースで伸びた。4月の米 個人消費支出(PCE)は予想外に前月比で変わらずにとどまった。

S&P500種産業別10指数のうち8指数が上昇した。工業株や公益 事業株、テクノロジー株、ヘルスケア関連株が特に上げた。一方、通信 サービス株は下落した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は0.9%上昇して13.97。5月のVIXは4.9%低下。2カ月 連続で低下した。

ヘルスケア関連株は0.4%高。ギリアド・サイエンシズは1.6%上昇 した。

アルテラは5.8%高。インテルはアルテラを167億ドルで買収するこ とで合意。今年に入って半導体業界の再編は記録的規模で進んでいる。 この日のインテルは下落した。

ソフトウエアとサービス関連企業はテクノロジー株の上げを主導し た。eベイとインテュイットはいずれも上昇、フェイスブックも値上が りした。

グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーは1.8%高。住宅建設の D.Rホートンも上昇。S&Pの住宅建設株指数は0.7%高。4月の建 設支出が予想を上回ったことが好感された。

高級品ブランドのマイケル・コース・ホールディングスやコーチな ども上昇。4月の個人所得は予想を上回った。

輸送関連株は上昇。デルタ航空やユナイテッド・コンチネンタル・ ホールディングス、ジェットブルー・エアウェイズはいずれも上昇し た。

一方、エネルギー株は下落。ニューヨーク原油市場ではウェスト・ テキサス・インターミディエート(WTI)先物が小反落した。トラン スオーシャンは下落、チェサピーク・エナジーも安い。

原題:U.S. Stocks Climb on Data as Industrial, Health-Care Shares Rise(抜粋)

◎米国債:下落、建設支出の増加や製造業景況指数の上昇で

1日の米国債相場は下落。10年債利回りは1週間ぶりの水準に上げ た。建設支出の増加や製造業景況指数の上昇を受け、経済が成長に向か うとの見方が広がった。

今週は、米金融当局が初回利上げの時期を決めるに当たり考慮する 経済指標が複数発表される。

TDセキュリティーズの米金利・経済調査責任者、エリック・グリ ーン氏は「住宅市場が寄与しつつある。建設支出は経済成長という点で 大きな意味を持つ」と指摘。「こうした要素全てが、国債の売りにつな がっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前週末比6ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇し2.18%。同年債(表面利率2.125%、2025年5月 償還)価格は1/2下げて99 1/2。

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況指数 は52.8と、前月の51.5から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想中央値は52だった。

また4月の米建設支出は前月比2.2%増で、伸びはブルームバーグ がまとめたエコノミスト予想(0.8%増)を上回った。

PCE価格指数

米国債は朝方、一時上げる場面があった。これら2つの統計より先 に発表された4月の米個人消費支出(PCE)に反応した。

金融当局がインフレ目標の基準としているPCE価格指数は前年同 月比で0.1%上昇と、36カ月連続で当局目標の2%を下回り、2009年10 月以来の低い伸びに落ち込んだ。

フェデレーテッド・インベスターズ(ピッツバーグ)のマルチセク ター戦略責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は「金融当局は、6年半 続くゼロ金利制約から抜け出そうと最善を尽くしている」と指摘。「当 局が直面しつつある難題は、当局はデータ次第だと言っているが、現時 点でデータは利上げ開始をあまり支持できていないことだ」と述べた。

同氏は9月利上げの確率は50%未満とみている。

債券投資家は、向こう5年間におけるインフレ率の平均を1.60%と 現在予想している。5月29日時点の予想は1.61%。今年に入り予想が最 も高かったのは5月1日で1.75%だった。

原題:Treasuries Fall as Increased Construction Spending Buoys Growth(抜粋)

◎NY金:小幅反落、ISM製造業景況指数の上昇で利上げ警戒

1日のニューヨーク金先物相場は小幅反落。一時は上昇していた が、上げを消した。5月のISM製造業景況指数が上昇したことから、 利上げへの警戒が強まった。

プラチナは金に対して2013年以来の割安水準となっている。世界的 な景気懸念がプラチナ需要の見通しに重くのしかかっている。

ETFセキュリティーズの調査担当ディレクター、マイケル・マク グローン氏(ニューヨーク在勤)は「欧州では景気刺激措置が導入され たにもかかわらず、あまり改善は見られていない」と述べた。

プラチナ先物7月限は前週末比0.7%下落の1104.20ドル。3月以降 で最長の7営業日続落となった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前週末比0.1%安の1オンス=1188.70ドル。一時は1.3%上昇す る場面もあった。

銀とプラチナ相場もそれぞれ値下がりした。

原題:Platinum Trades at Cheapest Since 2013 Compared With Gold Prices(抜粋)

◎NY原油:小反落、OPECの生産量据え置き観測で

1日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が小反落。石油輸出国機構(OPEC)が5 日の総会で、価格よりも市場シェアを優先して生産量を維持するとの見 方から売りが優勢になった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「OPECは5日の総会で価格を支援するようなことは何もしないとみ られている」と指摘。「この日はドルが上昇基調を取り戻したことが重 しになっている。OPECとドルの組み合わせで今週は軟調に推移する だろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前営 業日比10セント安い1バレル=60.20ドルで終了した。

原題:Crude Oil Falls as OPEC Seen Favoring Market Share Over Prices(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、ギリシャ注視-ヘルスケア株高い、資源下落

1日の欧州株式相場はほぼ変わらず。ギリシャ債務協議の進展を見 極めようとする動きが強い中、ヘルスケア銘柄が買われた一方、資源銘 柄は値下がりした。

指標のストックス欧州600指数は前週末比0.2%高の400.57で終了。 一時0.9%高となった。米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製 造業景況指数は市場予想以上に上昇し、これを受けてストックス600は 上げ幅を一時拡大したものの、取引終了間際の30分で上げ幅を削った。

欧州連合(EU)当局者がギリシャ債務協議で今週末までに合意に 至る可能性があると述べたことも相場への支援材料となった。同国は今 月、国際通貨基金 (IMF)に計16億ユーロ近い返済を控えている。

MPPM(独エップシュタイン)で資産運用に携わるギレルモ・ヘ ルナンデス・サンペレ氏は、「ギリシャが話題の中心となる向こう数日 間は極めて不安定となるだろう」と語った。

業種別指数では製薬株の上げが目立った。スイスのロシュ・ホール ディングは1.3%上昇。鉱山株は3日続落し、原油安を背景にエネルギ ー銘柄も値下がりした。

原題:Europe Stocks Are Little Changed as Drugmakers Offset Oil Shares(抜粋)

◎欧州債:スペイン債下落-スプレッド拡大もギリシャ危機感染弱まる

1日の欧州債市場ではスペイン債が下落。救済資金をめぐるギリシ ャの債権者側との交渉が週末に進展しなかったことが背景だが、それで もギリシャの財政破綻はユーロ圏全体に波及すると同国のチプラス首相 が主張するほどの展開にはなっていない。

スペイン10年債のドイツ債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド) は拡大したが、その度合いは先月28日以来の大きさにすぎなかった。ス プレッドは過去1年の平均近くで推移しており、2012年当時に比べると 危機感染は極めて限られている。

周辺国債の利回り上昇を防いでいるのは、欧州中央銀行(ECB) の量的緩和(QE)だ。システム全体への危機感染リスクに言及するこ とで債権者側に譲歩を迫ってきたチプラス首相には痛手かもしれない。

ADMインベスター・サービシズ・インターナショナルのストラテ ジスト、マーク・オストワルド氏は5月29日のインタビューで、QEが なければギリシャの「交渉の切り札がもっとあったことは疑いない」と 指摘した。

ロンドン時間午後4時12分現在、スペイン10年債利回りは前週末比 9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.92%。12年7月 には7.751%とユーロ導入後の最高を記録した同利回りは、今年3月に は1.048%まで下げていた。

同年限のドイツ国債とのスプレッドは6bp拡大し141bp。過去 1年の平均は122bp。イタリア10年債のドイツ国債に対するスプレッ ドも6bp拡大の142bp。上げ幅は先月26日以降最大となったもの の、これは1年平均をわずか5bp上回る水準。

原題:Greek Contagion Checked May Weaken Tsipras’s Bargaining Hand (3)(抜粋)

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