リンチ氏が狙った妥当な価格の成長株、今は見つけるのが困難

米フィデリティ・インベストメンツで1980年 代に年約30%のリターンを達成していた伝説のファンドマネジャー、ピ ーター・リンチ氏にとって、株式投資の成功の鍵は妥当な価格で成長株 を買うことだ。だが今、そうした株を見つけることは難しい。

ヤルデニ・リサーチがまとめたデータによれば、S&P500種株価 指数のPEGレシオは約1.7倍と、少なくとも1995年以降で最大。リン チ氏が重視した同レシオは予想株価収益率(PER)を1株当たりの予 想利益成長率で割り算出する。

第2次世界大戦後としては最も弱い部類に入る米景気回復の中で、 株式相場は大きく上昇。平均を上回るバリュエーション(株価評価)の ほか、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げすればさらに悪化する 可能性のある悲観的な利益見通しがPEGレシオの大きな上昇をけん引 している。

アメリカン・センチュリー・インベストメント(カリフォルニア州 マウンテンビュー)の上級ポートフォリオマネジャー、リッチ・ワイス 氏は、「株価上昇には増益が必要だが、われわれが必要とする利益加速 となる可能性は低い。5年前、あるいは1年前と比べても株式に対する 楽観度合いは小さい」と述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、アナリストらはS& P500種構成銘柄の利益の伸び見通しをここ6年で最も急激なペースで 引き下げており、2015年の増益率が1.4%にとどまると予想。09年以降 は年平均15%だった。

リンチ氏は1989年に米国で出版した「ピーター・リンチの株で勝つ -アマの知恵でプロを出し抜け」で、PEGレシオが1倍のときに株式 の価値が正当に評価されていると記した。同氏は77-90年にフィデリテ ィの「マゼラン・ファンド」の運用で年平均プラス29%のリターンを記 録。同期間のS&P500種の上げのほぼ倍となる運用成績だった。

原題:Peter Lynch Secret to Finding Value Discovers Little in S&P 500(抜粋)

--取材協力:Jennifer Kaplan.

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