利上げに新補完的手段、影の銀行への依存減らす-NY連銀論文

ニューヨーク連銀は5月29日、米金融当局の 主要政策金利引き上げに際して、確実な利上げに向けた動きを補完する とともに連邦準備制度としてシャドーバンキング(影の銀行)システム と直接取引する必要性を減らすことにもつながるとした新たな手段の詳 細をまとめた論文を公表した。

論文はニューヨーク連銀のジェームズ・マックアンドルーズ調査局 長と同連銀およびシカゴ連銀のスタッフらが共同で執筆した。この手段 は「セグリゲーテッド・バランス・アカウント(SBA、分離残高勘 定)」と呼ばれ、利上げのための他の既存のメカニズムを補完するのに 活用できるという。

SBAの仕組みは、まずマネー・マーケット・ファンド(MMF) など影の銀行システムの貸し手が翌日物の資金を市中銀行に預金し、銀 行はその資金を連銀に預け入れることで超過準備への付利(IOER) を得る。銀行と影の銀行システムの貸し手はこうして得られたIOER をどう分け合うか交渉する。

米金融当局は現在、主要政策金利であるフェデラルファンド (FF)金利の誘導目標を引き上げ始める場合に、その下限を設けるこ とを狙い、翌日物リバースレポを試験的に実施している。だが、金融シ ステムがストレスにさらされた場合、銀行から資金が枯渇しかねないな どとして、金融当局者は同レポへの過度の依存には懸念を抱いている。

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によれば、SBAをめぐ るこの論文は、スタッフが検討中の選択肢の1つとして昨年10月の FOMCで議論されたアイデアを詳しく説明したもので、米金融当局 が2006年以来となる利上げの時期に近づくにつれて活発な議論につなが る可能性もある。

SBAでは、当局が意図した金融政策の伝達で市中銀行の果たす役 割を高める効果が期待される。米金融当局が景気刺激に投入した資金 で、銀行システムには3兆ドル(約373兆円)近くの超過準備があ り、07-09年のリセッション(景気後退)以降では、政策伝達のメカニ ズムには劇的な変化が生じている。

論文によると、リバースレポを通じてMMFなどから直接的に資金 を吸収する代わりに、SBAでは準備資金をつなぎ留めることで、市場 の金利は「IOERに一層近づき、一段と強固にリンクする公算大き い」ともされる。

原題:Fed Economists Detail Proposal for Another Tool to Raise Rates(抜粋)

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