【今週の債券】長期金利は低下か、投資家は十分買えていないとの見方

今週の債券市場で長期金利は低下基調となる と予想されている。週内に長期と超長期債の入札が予定されているもの の、投資家は先月まで債券を十分に購入できておらず、潜在需要が強い ことが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.35-0.45%となった。前週は26日に一時0.44%まで上昇し たが、警戒されていた20年債入札が順調な結果になると水準を切り下 げ、0.385%を付けた。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、債券相場について、「投資家は4、5月に積極的に買っておらず、 米雇用統計の内容次第で内外金利が低下した場合、再び買いそびれてし まうリスクがある」と話した。

外国為替市場では円が12年半ぶりの水準まで下落した一方、米国債 市場では10年債利回りが2.1%台前半でもみ合いとなっている。

為替が先走ってしまった感

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「円安進行は新たな悪 材料であるが、BEI(ブレーク・イーブ ン・インフレ率)の上昇を 引き起こしていないことからベアスティープ化材料としては弱い。むし ろ米金利上昇の裏付けをまだ欠いたまま、為替が先走ってしまった感も あり、雇用統計前後にスピード調整を迫られるかもしれない」とみる。

財務省は6月2日に10年利付国債の価格競争入札を実施する。償還 日が2025年6月と前回入札の338回債から3カ月延びるため、新しい回 号となる。表面利率(クーポン)は前回債と同じ0.4%か、0.1ポイント 高い0.5%となる見込み。発行予定額は前回債と同額の2兆4000億円程 度となる。

4日には30年利付国債の価格競争入札が予定されている。クーポン は前回債と同じ1.5%となる見通し。発行予定額は前回債と同額の8000 億円程度となる。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジスト

先物6月物147円00銭-148円00銭

10年国債利回り=0.35%-0.45%

「しばらく超長期債の入札が続くということで、そんなに買い進み やすい雰囲気ではないものの、5月のボラティリティ上昇で買えていな い投資家の押し目買いが10年債利回りの0.4%、20年債利回りの1.2%と いった節目で入ってきている感じ。償還の再投資に伴う買いも意識さ れ、入札を警戒して金利が上がるような状況でもない。米雇用統計を受 けたドル・円相場に注目。強い数字を受けて利上げが順調に進むとの見 方につながると、円安が進み、円金利にも影響が及ぶ」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド

先物6月物147円30銭-147円90銭

10年国債利回り=0.37%-0.43%

「今週は10年債と30年債入札が予定されているが、それほど心配し ていない。どの水準なら買いが入るか強弱感が交錯するものの、債券を 買えていない投資家が多く、入札は大崩れしないとみている。米利上げ 期待、株の高値更新と、外部環境が良くない中でも、債券相場は値持ち している。30年債利回りもあとひと声という感じで、1.5%台なら生保 も買うのではないか。事前に調整して多少買うという感じ」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物6月物147円30銭-147円90銭

10年国債利回り=0.37%-0.45%

「6月は月央から需給が締まりやすいため、入札前後の金利上昇局 面では押し目買いで臨みたい。今週は10年債と30年債の入札を迎えるほ か、その後も超長期ゾーンで入札が続くことには一定の警戒感がある。 一方、先物は11日が取引最終日に当たり、その後も国債大量償還に伴う 再投資ニーズが見込める。短中期の金利が低位安定しているため、入札 が懸念されてもスティープ化余地は限定的」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、三浦和美 Editors: 崎浜秀磨, 山 中英典

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