日本株12日続伸、国内景気堅調で金融、内需買い-午後出直る

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1日の東京株式相場は12営業日続伸。国内景 気の堅調を背景に午後の取引で持ち直し、銀行や保険、その他金融など 金融株、電気・ガスや食料品といった内需関連株が高い。収益環境の改 善期待から建設株も買われた。半面、米国景気指標の低調や連騰の反動 を警戒する売りも根強く、株価指数の上げは小幅だった。

TOPIXの終値は前週末比4.91ポイント(0.3%)高の1678.56、 日経平均株価は6円72銭(0.03%)高の2万569円87銭。TOPIX は2009年8月、日経平均は1988年2月にそれぞれ13連騰して以来の連続 上昇記録。

アバディーン投信投資顧問の窪田慶太インベストメント・マネジャ ーは、「世界の景気はこれまでのポジティブな流れから現在は足踏みし ている。まだどっちつかずの状態」としながらも、「世界的にみて日本 株が相対的に買われやすい状況は続く」との見方を示した。

取引開始前に発表された日本の1-3月期の法人企業統計調査で は、設備投資が前年同期比7.3%増となった。国内総生産(GDP)の 設備投資に反映されるソフトウエアを除くベースでも伸び率は拡大。ブ ルームバーグによるエコノミスト予想によると、8日に発表される1- 3月GDP改定値は、1次速報からの上方修正が見込まれている。

また野村証券は、5月29日に国土交通省が発表した4月の建築着工 単価が前月比17%上昇の21.9万円と史上最高値を更新したと指摘。ゼネ コン各社の建築粗利率の先行指標として注目される同指標がバブル期の 水準を大きく上回るのはポジティブサプライズ、としていた。

アバディーンの窪田氏は、「バリュエーションの高い米国、ギリシ ャ懸念がある欧州、米利上げによる影響が懸念されるアジア株などに比 べ、日本株は買いやすい」と指摘。さらに、コーポレート・ガバナンス 改革で「持ち合い解消や株主資本利益率(ROE)改善への期待もあ り、ポジティブな見方が出やすい」とも話している。

一方、中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日に発表した5月 の製造業購買担当者指数(PMI)は、50.2と3カ月連続で拡大。ブル ームバーグがまとめた市場予想の50.3には届かなかったが、当局が講じ てきた金融政策と財政ルールの緩和が景気減速の影響を和らげるのに寄 与したことが示唆された。上海総合指数は大幅高となった。

米統計は重し、1部時価総額初の600兆円

もっとも、株価指数の上げは限定的。午前の取引では、日経平均 が150円以上下げる場面もあった。JPモルガン・アセット・マネジメン トの榊原可人エコノミストは、「米国のデータ自体はさえない。米景気 がしっかりしているかどうかは株式市場の重要な条件」とし、米景気が 不安定な中、「積極的に株を買い向かう感じはなくなる」と言う。

米商務省が5月29日に発表した1-3月期の米GDP改定値は年率 で前期比0.7%減少、速報値は0.2%増だった。ドル上昇に伴い輸出が減 少した半面、西海岸で起きていた労働争議の決着で輸入が拡大し、貿易 赤字の拡大が押し下げ要因となった。5月のシカゴ製造業景況指数 も46.2と前月の52.3から低下し、2月以来の低水準。

岡三証券グローバル金融調査部の平川昇二チーフエクイティストラ テジストは、日本株は「サイコロジカルラインやRSIなど一部テクニ カル指標は過熱感がある」とも話していた。

東証1部の業種別33指数はその他金融、電気・ガス、水産・農林、 繊維、保険、銀行など25業種が上昇。海運、空運、輸送用機器、不動 産、陸運、小売など8業種は下落。売買高は24億9072万株、売買代金は 2兆5340億円。上昇銘柄数は1114、下落は644。1部時価総額は601 兆5859億円となり、終値ベースで初の600兆円乗せとなった。

売買代金上位では、15年3月期の有価証券報告書の提出期限を8 月31日まで延長することが承認された東芝、UBS証券が電池材料や炭 素繊維で成長に向けた変化の兆しが見えるなどと評価し、投資判断を 「買い」に上げた帝人が高い。半面、アリババグループとの連携は小規 模な開始で収益貢献は軽微、とバークレイズ証券が予想したヤフーが反 落。三菱地所、コマツも安い。

--取材協力:Yuji Nakamura.

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