米国債(29日):上昇、GDP縮小で、利上げ見通しに陰り

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29日の米国債相場は上昇。10年債利回りは3 週間ぶりの低水準となった。1-3月(第1四半期)の米実質国内総生 産(GDP)改定値がマイナス成長となり、利上げへの道は平たんでな いことが示唆された。

米連邦公開市場委員会(FOMC)からは年内利上げへの意思が新 たに示唆されている。モルガン・スタンレーの指数によると市場は12月 まで利上げはないとみている。米国債とドイツ国債の利回り差は拡大 し、海外の投資家にとって米国債の妙味が高まった。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「米国債市場が大荒れしたのは主にテクニカルな性質のもので あり、まずまずの買いの好機だとの感触を投資家らは得ている」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.12%。同年債価格(表面利率2.125%、償還期 限2025年5月)は100ちょうど。同利回りは週間ベースでは9bp低下 した。

利回り差

米10年債利回りと同年物の独国債の利回り差は1.64ポイントと、2 週間前の1.52ポイントから拡大した。

ポートフォリオをベンチマークの債券指数に合わせる動きから、期 間が長めの米国債が買われたことも相場上昇の要因となった。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、エドワード・ア クトン氏は「そもそもデータはそれほど大きな要素にならないというの が大方の見方だった」と指摘。「それよりも残存期間を長くする月末特 有の動きの方が大きいかもしれない」と述べた。

第1四半期の実質GDP(季節調整済み、年率)改定値は前期 比0.7%減少した。速報値は0.2%増だった。ドル上昇に伴い輸出が減少 した一方で、西海岸で起きていた労働争議の決着で輸入が拡大したた め、貿易赤字が拡大。GDPの押し下げ要因となった。

CMEグループの金利先物動向によれば、9月利上げの確率 は24%。年末までの利上げ確率は57%となっている。

ブルームバーグ米国債指数の今週のリターンは28日までの時点 で0.5%。週間でのプラスは4月17日以降で初めて。5月のリターンは マイナス0.5%。前月もマイナス0.6%だった。

原題:Treasuries Rise as U.S. Economic Contraction Clouds Fed Outlook(抜粋)